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天の川を愛でながら、夏の土用は「シェーブル・ノワール」を

みなさま、こんにちは。

 

暑い日が続きますね。

猛暑の街を抜け出して、「天の川」を見に行きませんか。

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目的地は医王山(いおうぜん)です。

医王山ろくのふもと、金沢市平等本町(かなざわしだいらほんまち)の「銀河の里キゴ山」には、天体観察センターと少年自然の家があります。

小中学校の遠足や合宿で、幾度も通いました。

初めて、星座早見盤と、星の数を数えるカウンター(数取り器)を両親に買ってもらった時。

銀河鉄道スリーナインの乗車切符を手に入れたようで、心が躍りました。

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市街を抜けて、医王山の方へ車で向かう道。

少しずつ暮れゆく高台からは、日本海に沈む夕日を楽しみます。

夕焼けは刻々と色や形を変え、昼間の暑さや、街の喧騒(けんそう)が、少しずつ和らいで、空が茜色に染まります。

辺りは静かなのに、空では西洋名画に描かれた、天使たちの鳴らすラッパが響き渡るようです。

やがて「一番星みいつけた」。

そしていつの間にか満天の星空。

星の間をぬって流れるように見える幾千もの星の塊。

これが銀河「Milky Way」天の川です。

街明かりが少なく、月が出ていない晩の医王山では、夏の大三角形を見つけるのも、楽しみの一つです。

東の空で最も明るい星を探してみてください。

こと座のベガです。七夕のシンボル、織姫星です。

ベガが見つかれば、後は三角形の残り2つの頂点となる明るい星を見つけるだけです。

ベガの次に区別がつきやすいのは、はくちょう座のデネブです。

最後に、わし座のアルタイルを探します。七夕のシンボルの彦星にあたります。

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さて、今日は「夏の土用」に因んで、黒いチーズをお持ちしました。

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※二十四節気と土用についてはこちら>>

 

夏の土用の丑の日には、「う」のつくものや、黒い食べ物を食べる習慣があります。

黒いチーズは、東京都青梅市のチーズ工房「フロマージュ・デュ・テロワール」のオーナー、鶴見和子さんが、山羊のミルクで造った「シェーブル・ノワール」です。

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「ノワール」はフランス語で「黒」を意味します。チーズの周りに、木炭をまぶしてあります。炭は型崩れ防止と酸味を中和する役目があります。

外側は木炭による黒色で、中は山羊乳特有の真っ白な生地。カットすると、白と黒のコントラストが美しいチーズです。

鶴見和子さんはフランスのENILでチーズ製造を学び、2014年に工房を開設。日本でフランス仕込みのチーズを造る第一人者です。

山羊の泌乳期は「5月~11月」ですから、まさに今が旬のチーズ。

爽やかなシェーブル独特の香味を楽しみながら、暑い夏を健やかにお過ごしください。

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季節のテーマにそって、チーズを様々な形にカット・アレンジをして、器に盛り付け、テーブルコーディネートと共に味わいながら楽しむレッスンを行っています。

 

また、8月18日(日)13時から14時半まで、金沢駅西口から徒歩2分のクロスゲート金沢2階にあるワインバー「vin amourヴァンナムール」にて、グラスシャンパーニュとプレミアムなフレッシュチーズを楽しむセミナーを開催します。

山羊乳で造ったフレッシュチーズ「ブルッス」は入手困難ですが、今回のセミナーでご提供することが可能となりました。ほかにも、人気で手に入りにくいチーズやチーズを用いたアミューズもご用意します。そして、ソムリエールと共に、ワインバーの嗜み方をお伝えします。

 

参加のお申し込みは、チーズプロフェッショナル協会のWebサイト(https://www.cheese-professional.com/article/seminarevent/detail.php?KIJI_ID=2148

からお願いします。

 

次回も金沢の四季の移ろいと、旬のチーズの楽しみ方を、この番組でご紹介してまいります。

 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 

 

薔薇のミモレットと共に「ローズムーン」に想いをはせて

みなさま、こんにちは。

 

日が長くなりました。

昨日、2024年6月21日、1年で最も日が長くなる「夏至(げし)」が始まりました。

「夏至」は二十四(にじゅうし)節気(せっき)の一つです。太陽が地球を一周する日数(一太陽年)を24等分し、それぞれの期間に季節の変化を表す名前をつけています。

「夏至」の期間は毎年6月21日頃から7月7日頃(小暑の前日)までの約15日間。朝方は4時半頃から、夕方は19時頃まで明るいですよね。

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そして本日、2024年6月22日の今夜は、「ストロベリームーン」や「ローズムーン:Rose Moon(薔薇月)」と呼ばれる、満月です。

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「ストロベリームーン:Strawberry Moon(苺月)」は、ネイティブ・アメリカンの部族が、月の動きを観察して、農業や漁業、狩猟の目安にするため付けた呼び名のひとつです。彼らにとって6月はイチゴの収穫シーズンでした。

ヨーロッパでは、6月の満月は「ローズムーン:Rose Moon(薔薇月)」と呼んでいます。ヨーロッパでは薔薇が美しく咲きほこり、満月がピンクに見えることがあります。

今夜の天気予報は、だんだん雲が増え、夜は雨になる見込みです。

月が雲に隠れて見えないのは残念ですが、その「月が見え無い=無月(むげつ)」に想いをはせるのも日本の文化です。

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6/21のお月さま

 

 

さて、今日は「ローズムーン」に因んで、薔薇のチーズをお持ちしました。

オレンジ色が特徴で、フランスの牛のミルクで作られるセミハードタイプの「ミモレット」をスライスして、薔薇の花にみたてました。

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「半分柔らかい」という意味のフランス語「ミ・モレ」に由来し、アナトー色素をつかっているので、チーズの生地は明るいオレンジ色をしています。

チーズの全形は、上下の面がやや平たい直径約 20 cm 高さ約 15 cmの球体。表面は硬くゴツゴツしているので、外皮は取り除きます。

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熟成が進んでいないミモレットは柔らかく、やさしい味わいです。熟成が進むと水分が減り、硬くなって濃厚な味わいになります。

その味はボラの卵巣から作る珍味「からすみ」に似ています。ワインはもちろん日本酒にも合うチーズとして人気があります。

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季節のテーマにそって、チーズを様々な形にカット・アレンジをして、器に盛り付け、テーブルコーディネートと共に味わいながら楽しむ「旬のチーズと季節のしつらい」レッスンを行っています。

 

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また、8月18日(日)13時から14時半まで、金沢駅西口から徒歩2分の、クロスゲート金沢2階にあるワインバー「vin amourヴァンナムール」にて、グラスシャンパーニュとプレミアムチーズを楽しむセミナーを開催します。ワインバーの嗜み方をお伝えします。

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参加のお申し込みはチーズプロフェッショナル協会のWebサイト(https://www.cheese-professional.com/article/seminarevent/list.php?ALIAS=seminar)よりお願いします。

 

もう一つお知らせがあります。

恒例の「かなざわまち博」で屋台大学を2枠、開催します。

1つ目は8月17日(土)  12:00~14:00

「和魂洋才のディジュネ フレンチと日本酒」と題し、

北陸の食材を取り入れるフランス料理に、能登の酒蔵復興応援の日本酒を合わせます。 日本酒の知識、石川の酒の特徴、嗜み方、器による味わい方を学びます。

ひがし茶屋街人気の町家フレンチ「東山ロベール・デュマ」で、お洒落で和心溢れるひと時をお過ごしいただきます。

 

2つ目は8月18日(日)  18:00~20:00

「和魂洋才の夕べ 加賀料理とワイン」と題し、

貴重な文化財でもある「辻家庭園」 の広大なお庭の緑を愛でながら、能登の復興応援を込めて厳選した、能登産ワインと加賀料理を合わせます。

コミュニケーションツールとしてのワインの知識、風土が生み出す個性、嗜み方を学びます。

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参加のお申し込みは、かなざわまち博のWebサイト(https://www.machihaku.com/)からお願いします。

 

次回も金沢の四季の移ろいと、旬のチーズの楽しみ方を、この番組でご紹介してまいります。

 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

月のように丸い修道院のチーズ「アベイ ド タミエ ABBAYE DE TAMIE」

みなさま、こんにちは。
 
初夏の陽の光に緑が輝き、花々が美しい季節になりました。
 
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さまざまな花が咲き乱れる5月の満月は「Flower Moon(フラワームーン)」と呼ばれます。
一昨日はお天気が良く、23時頃には、まん丸の輝くお月様を仰ぐことができました。
 
月の満ち欠けの周期は約29.5日ですから、次の満月は6月22日の22時頃です。
6月は「ストロベリームーン」や「ローズムーン:Rose Moon(薔薇月)」などの名前がついています。
 
この名前は、アメリカの先住民が、農業や漁業、狩猟の目安として季節を把握するために、各月に見られる満月に名前をつけたことが始まりです。そして、その満月を含む1か月の呼称としても用いられています。
 
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5月14日から5月26日まで開催している「第七回 季にあひたる 和のしつらい洋のしつらい」作品展の会場、石川国際交流サロンでは、生命力に満ち溢れ、活き活きとした輝きを放つ草花がご来場の皆さまをお迎えしています。
 
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2週間の作品展も、今日と明日の2日間となりました。
 
テーマの「光る」から、光を放つガラスや艶のある漆器を中心に、食卓に石川の工芸をとりいれた「しつらい=テーブルコーディネート」の作品を8つ展示しています。
 
日本の平安時代(西暦794年 – 1185年)、宮中女性の装束に見られる「かさねの色」をテーブルクロスやティータイムのランチョンマットに表現しています。
 
夏の「水色のかさね」
光源氏が愛した3人の女性「桐壺のかさね」「藤壺のかさね」「若紫のかさね」
をお楽しみいただけます。
 
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風と光に揺れる「藤の花」のフラワーアレンジメントは、平和と高潔を表しています。
 
藤の花が風に揺れている様子を「藤波(ふじなみ)」と表現します。一陣の風に吹かれたひと房が、波のように次から次へと揺れていく様子を思い浮かべながら、お庭や、床の間の掛軸(かけじく)と調和した、しつらいをしています。
 
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入場無料です。ぜひ、お立ち寄りいただけましたら幸いです。
 
 
 
さて、本日ご紹介するチーズは、お月様のようにまん丸の形をした、修道院のチーズ「アベイ ド タミエ ABBAYE DE TAMIE」です。
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フランスの東端、スイス・イタリアと国境を接するサヴォワ地方産のウォッシュタイプのチーズです。サヴォワ地方は、古くからチーズの名産地として知られています。標高900メートルのボージュ山塊にひっそり佇むのは1132年より続くタミエ修道院。今もなお、修道士達が人々の幸せや世界平和を祈り、手仕事をしています。その一つがチーズです。
 
ウォッシュタイプのチーズは、表面を洗って熟成させているので、外皮から穏やかな風味を感じます。教会の回廊のように神聖な雰囲気のカーヴにあるエピセアの木板の上で熟成された中身は、なめらかでモチモチしており、ほのかにナッツの風味が感じられます。
ヨーロッパを旅した際、朝食ブッフェに、このチーズが丸ごと提供されていました。
 
涼を感じたいこの季節。水出しの加賀棒茶や、冷酒と合わせて楽しめます。お料理にも使える万能チーズです。
 
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月はグリーンチーズでできている(英: The Moon is made of green cheese)」という欧米のことわざや、月の反射を見て「丸いチーズと間違えた」という物語があります。
 
お月様のひとかけをシェアしているような気持ちで、丸いチーズをカットし、家族や友人でシェアしましょう。満ち欠けを繰り返すお月様のパワーに願いを込めて。穏やかで健やかな世の中を祈ります。
 
 
 
美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。
 
【音声ファイル】2024年5月放送.mp3
 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 

 

夏も近づく八十八夜♪季節を知らせるおめざめタイムのチーズ

みなさま、こんにちは。

 

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風薫る季節になりました。

新年度や新学期という新しいスタートの時期から、少し経過したところです。

自然界の虫たちにとっては、初夏の日差しを浴びて目を覚まし、活発に活動を始める頃です。

 

ゴールデンウィークと呼ばれる連休には、家族や友人と自然豊かな場所へ旅行したり、アウトドア活動をしたり、心身ともにリフレッシュする季節です。

四季の変化に恵まれた日本では、自然への感謝や祈りを伝える行事がたくさんあります。

その節目ごとに、季節の変化や自然との関わりを感じる機会となります。

 

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夏も近づく八十八夜♪」という茶摘み歌をご存じですか?

八十八夜は日本独自の季節を知らせる節目「雑節(ざっせつ)」のひとつです。

八十八夜の数え方は、春がスタートする立春(節分の翌日、2024年は2月4日(日))から数えて、「八十八の夜」が過ぎた88日目の日のことです。

2024年は5月1日(水)です。

この時期から、田畑に霜が降りる心配がなくなると言われ、農家では、茶摘みや稲の種まきを始める目安の日としています。

また、「八十八」の文字を組み合わせると「米」という漢字になることや、末広がりの八が重なることから、農作業を始めるのに縁起のよい日ともいわれます。

 

八十八夜に摘み取られたお茶は「初物」として市場に出回ります。

今年初めて収穫された野菜や新茶は、生気(いき)(あふ)れているため、食べることで長生きできると考えられました。

初摘みのお茶のコクのある味は「日本人に生まれてよかったなぁ」と思わせてくれます。

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旬のチーズや季節限定のチーズを選ぶ時、大切な方の健やかな毎日を願う気持ちで選んでいます。

春のおめざめタイム」チーズは、その一つです。

 

北海道虻田郡(あぶたぐん)喜茂別町(きもべつちょう)にある、チーズ工房タカラのオーナーでありチーズ職人の斉藤愛三(なるみつ)さんが作る、春限定のチーズです。

美しい羊蹄山のふもとで放牧酪農を営む牧場タカラ。お兄さんの信一さんが牧場の飼養管理と土づくり、牛乳製造を担っています。

牧場名の「タカラ」は、アイヌ語の「夢を育む」という意味があります。先住民であるアイヌ人同様、この土地に住まわせてもらうという謙虚な姿勢を屋号に込めようとアイヌ語から引用されました。

工房の駐車場横には「幸せな牛のミルク」という大きな看板があります。

日々、生かされていることに感謝する気持ちがこめられたミルクから作られた、フレッシュチーズです。

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細長い円筒形。やや酸味のあるホロリとした白い生地に、タイム、ローズマリー、コリアンダーシードをまぶしてあり、爽やかな味わいが楽しめます。

ハーブの香りにあわせて、キリリと冷やしたソーヴィニョンブランの白ワインや、緑茶、ハーブティーとの相性もおすすめです。

 

5月は、緑に囲まれた新しい季節へのめざめを告げる貴重な月です。ぜひ、ご自身の「おめざ」と共に、健やかなひと時を過ごしてください。

 

5月14日から2週間、石川国際交流サロンにて「第七回 季(とき)にあひたる 和のしつらい洋のしつらい 作品展」を開催します。入場無料、月曜日は休館です。「光」をテーマに、輝く未来をしつらいます。

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月末に旬のチーズと季節のしつらいを学ぶレッスンをしています。

美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。

 

 

 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 

 

イースターには「優しい心のチーズ」を♡

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みなさま、こんにちは。

 

3月も後半というのに、まだまだ花冷えの日が続きます。

金沢の開花予想は今のところ3月30日。満開は4月5日頃とのことです。

卒業式や入学式、歓送迎会やお花見。華やかな行事が続きます。

 

春の行事の一つが「イースター(復活祭)」です。

十字架にかけられ処刑されたイエス・キリストが、その3日後に予言通り復活した奇跡を祝うお祭りです。

キリストの誕生を祝うクリスマスと同じく、欧米では重要な行事です。

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イースターはクリスマスやハロウィンとは異なり、毎年日付が変わる移動祝祭日です。

キリストが復活したのが日曜日だったことにちなみ、イースターは

「春分の日の後にくる、最初の満月の日の、次に来る日曜日」とされています。

少々ややこしく聞こえますね。

そのためイースターは毎年、日にちが変わるのです。

一番早いイースターは3月22日、一番遅くて4月25日と大きな幅があります。

 

皆さん、今年のイースターはいつかご存じでしょうか?

2024年のイースターは3月31日です。

 

実はヨーロッパの人々も、イースターがいつなのか、毎年カレンダーやネットで調べています。

 

キリスト教徒が多い欧米の国では、「イースター休暇」として、イースターの当日を挟んで連休とするところが多くあります。イースター前の金曜日を「グッドフライデー」、翌日の月曜日を「イースターマンデー」と呼び、学校や仕事もお休みになることも多いです。

 

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日本では、春と秋のお彼岸を「国民の祝日」と定めています。

 

欧米では、イースターが近づいてくると、街のウィンドウは、卵や兎をモチーフとしたチョコレートや飾り付けで彩られ、「春が近い!」と感じ、嬉しくなります。

当日には教会のミサに参加し、家族や友人と食事を楽しみます。

 

復活祭を英語で表した「Easter(イースター)」は、春の女神「Eoster(エオストレ)」に由来するといわれており、春の祭りとイエス・キリストの復活のイメージが結びついたと考えられています。

ちなみに、春の女神は太陽とともにやってくるため、太陽が昇る東を「East(イースト)」と呼ぶようになりました。

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春になり冬眠していた動物たちが活動し始め、枯れていた植物が蘇ってくることを祝う、春待ちのお祭りでもあるのです。

 

イースターのモチーフ「卵」からは新しい命が生まれてくるので、命や復活のシンボル。

そして、「兎(うさぎ)」は、子供を多く産むことから、繁栄のシンボルとされています。

また、兎が繁殖を始める時には、食物である草が茂りはじめるため、春の躍動感をイメージします。

 

日本でも、兎は多産であることから繁栄の象徴とされ、古くから、縁起の良い動物として扱われてきました。

威勢よく波を飛び回る兎の姿、「波に兎」など、絵画や工芸に取り上げられ、現在でも人気の高いモチーフです。

波と水がつながり、火除(ひよけ)の守りと云われることもあります。

「波に兎」は、器の文様や神社の石像など、いろんな場面で使われています。

 

私の祖母も「波乗り兎」を墨絵でよく描いていました。

波に乗って進む兎に、良いことがたくさん起きますようにとの、優しい心が込められています。

 

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この季節におすすめの、優しい心のチーズをご紹介します。

 

白い兎を思い浮かべる、ふわふわの白カビに覆われ、1つ25gと小ぶりで、ハートの形をした「プティ・クール・ヌー」です。

「クール(cœur)」はフランス語で「心」。

牛のミルクでつくられ、おだやかでクセのない、マイルドな味わいです。

春の時期にフランスのオート・ノルマンディから届きます。

ハートを4つ並べれば、幸運を呼ぶクローバー型になります。

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同じノルマンディ地方のチーズにクール・ド・ヌーシャテルというハート型のものがあるのですが、こちらのハートは大きくて、重さにして最低200g程度。かなり塩味もあります。

それに比べると、プティ・クール・ヌーは約1/10の重量の25gなので食べきりサイズ。

くせがなく食べやすい味わいで、チーズ初心者の方にも美味しく召し上がっていただけます。

 

メープルシロップやジャムと合わせたり、ドライフルーツを添えたりして、香り高い紅茶と共に楽しむのもおすすめです。チーズとお紅茶はとっても相性が良いのです。

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4月14日に「能登地方応援セミナー」として、「能登の紅茶とチーズでアフタヌーンティ」を開催します。

藩政時代よりお茶文化が盛んな石川県。世界農業遺産認定「能登の里山里海」の能登島の地で栽培された茶葉を使った、甘い香りと清々しい後味が特徴の和紅茶と、能登の食材を用いたチーズフーズを楽しみながら、コミュニケーションツールとしてのアフタヌーンティを学びます。オンライン参加の皆さまには、アフタヌーンティのお話、チーズフーズのレシピ紹介と能登の和紅茶についての物語をお伝えいたします。能登の和紅茶と食材と共に能登支援に繋げて参りましょう。           

セミナー参加費の一部は義援金とさせていただきます。

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また、5月14日から2週間、石川国際交流サロンにて「第七回 季(とき)にあひたる 和のしつらい洋のしつらい 作品展」を開催します。

入場無料、月曜日は休館です。

「光」をテーマに、力強く明日を築く、輝く未来を表現します。

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月末に旬のチーズと季節のしつらいを学ぶレッスンをしています。

美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。

 

金沢の四季の移ろいと、旬のチーズの楽しみ方を、この番組で続けてご紹介してまいります。

 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 

 

幸せな「春の兆し」のチーズを味わって

みなさま こんにちは
 
まだまだコートが必要な寒い日が続きます。しかし梅はつぼみがふくらみ、昼間の時間がすこしずつ長くなってまいりました。もうすぐ春ですね。
 
春は「」、「」、「気温」の三段階で近づいてきます。
 
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「光の春」は、冬の寒さが厳しいロシアから伝わった言葉です。「光の春=весна света(ベスナー・スベータ)」。
 
極寒の冬を越し、徐々に日が長くなり、日差しが明るくなる様子を、
「春の気配を感じる=光の春」と表現しています。
また、春の光に反応し、動物は冬眠から目を覚まし、植物の花芽が成長を始めます。動植物の様子の変化からも、春の訪れを感じることができます。
 
「光の春」の次は「音の春」がやってまいります。
 
北日本など雪の多い地域では、気温が和らぎはじめると、雪解けが進みます。すると雪崩の音や、雪解け水が流れる川のせせらぎが聞こえてきます。
また、東日本や西日本では、ヒバリやウグイスの初鳴きが聞こえてきます。
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ウグイスは、繁殖期を迎える春になると「ホーホケキョ」と、美しい鳴き声に変わります。
 
そして、いよいよ「気温の春」がやってきます。
 
3月下旬、春分の頃には桜の蕾(つぼみ)がほころびます。
西日本や東日本から始まる桜前線は、気温の上昇とともに、北上します。
暖かい日が増えていくと、桜に続き、ツツジや藤の花が咲き始めます。
しばらくは寒さが続きますが、この先、光や音、そして気温の変化から、春の訪れを感じられると思うと、力がみなぎってきませんか。
 
さらに、今年は「うるう年」です。

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うるう年は、太陽の動きと暦のずれを調整するために、つまり、カレンダーと季節がずれないように「2月29日」があり、1年が366日になります。
4年に1度「おまけの1日がある年」と思うと、なんだか得をした気がしませんか。
英語でうるう年は「Leap Year」と言い「跳躍」を意味します。
 
そんな、「兆し」を感じる季節に、おすすめのチーズをご紹介します。
今日ご紹介するのは、北海道のチーズ「タカラのフュメ」です。
 

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モッツァレラチーズと同じように、チーズカードを熱湯で練り整形し、紐で吊り下げて乾燥・熟成させ、ヒョウタンのような形に仕上げたチーズを、燻製をしています。
「フュメ」は燻したスモークタイプを意味します。
そのまま口に含むとやわらかな燻製の香りが広がり、後からミルクの甘味や旨味が溢れてきて何とも言えない豊かな味わいです。
 
チーズ工房タカラ」の斉藤愛三(なるみつ)さんが「幸せの牛のミルク」と呼ばれる最高の牛乳を原料につくったチーズです。
斎藤さんは酪農一家で、愛三さんのご両親と兄夫婦が牛の世話のほか、酪農の基本である土づくりや草づくりを担っています。
厳冬期の夜間以外、できる限り外での放牧にこだわっています。
牛1頭に対して1ヘクタールの土地の広さがあり、ストレスフリーな環境で育った健康な母牛から搾られるミルクは、とても風味豊かなのです。
 
香りや味わいで、幸せな春の兆しを楽しんでいただきたいと願います。
 
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スモークチーズはイチゴやブドウと相性が良いのです!
 
 
4月14日に「能登地方応援セミナー」として、「能登の紅茶とチーズでアフタヌーンティ」を開催します。
藩政時代よりお茶文化が盛んな石川県。世界農業遺産認定「能登の里山里海」の能登島の地で栽培された茶葉を使った、甘い香りと清々しい後味が特徴の和紅茶と、能登の食材を用いたチーズフーズを楽しみながら、コミュニケーションツールとしてのアフタヌーンティを学びます。オンライン参加の皆さまには、アフタヌーンティのお話、チーズフーズのレシピ紹介と能登の和紅茶についての物語をお伝えいたします。能登の和紅茶と食材と共に能登支援に繋げて参りましょう。
セミナー参加費の一部は義援金とさせていただきます。
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詳細・申し込みはこちらから>>
 
また、5月14日から2週間、石川国際交流サロンにて「第七回 季(とき)にあひたる 和のしつらい洋のしつらい 作品展」を開催します。
入場無料、月曜日は休館です。
「光」をテーマに、力強く明日を築く、輝く未来を表現します。
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月末に旬のチーズと季節のしつらいを学ぶレッスンをしています。
美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。
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お問い合わせはこちらまで、よろしくお願いいたします。
 
 
 

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立春の能登へエールを込めて「能登味噌チーズ」

みなさま こんにちは
2024年 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 
 
このたびの能登半島地震により被災された皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。
 
能登上布、輪島塗などの工芸、酒蔵、味噌・醤油蔵、そして和菓子や酪農業など、長きにわたり受け継がれてきたものづくり。
 
そして和倉温泉など歴史ある温泉地、ワイナリーや美しい観光地がある魅力的な能登半島。
 
一日も早い復興を願い、支援イベントやセミナー開催を通じ、応援させていただく所存です。
 
皆さまの安全を、心よりお祈り申し上げます。
 
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1月はあっという間でした。
 
まだまだ寒い日が続きますが、来る2月4日(日)は立春です。
 
「春が立つ=春の兆しが見え始める時期」という意味で、暦の上で春が始まります。
 
立春、立夏、立秋、立冬の前日を「季節を分ける=季節が移る節日(せつじつ)」であることから、「節分」とし、年に4回あります。
 
日本の国は農耕社会です。命が芽吹く春の始まりが、最も大切にされます。
 
よって、節分といえば春の節分を指すようになり、江戸時代後期には、春の節分が主流となりました。
 
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平安時代、節分の頃は邪鬼が現れやすいと考え、宮中では鬼を追い払う「追儺(ついな)」の行事がありました。
 
これが後に民間にも広がり、現在の節分の風習となりました。また、「節分違(せちぶんたがえ)」といって、その日は、方位の神さまが移動するため、外出の方角が悪い場合は、前夜によその方角に行って泊まり、そこから改めて目的の場所へ行くことで、縁起の悪い方角を避けました。
 
今では豆まきの日になっている春の節分ですが、平安時代には貴族大移動の日だったのかもしれません。
 
「方違(かたたがえ)」では、よその家に泊まるわけですから、予期せぬ出逢いも生まれます。
 
『源氏物語』を彩る華やかな恋愛遍歴の始まりの章、光源氏と空蝉との出会いも、方違(かたたがえ)が関わっています(源氏物語3帖「空蝉」)。
 
大河ドラマ第63作目は、平安中期、のちに世界最古の女性文学といわれる『源氏物語』を生み出した紫式部の人生の物語『光る君へ』ですね。
 
この『源氏物語』は光源氏の生涯と当時の社会を描いた長大な物語ですが、全54帖にわたり災害のエピソードは、主に4つしかでてきません。
 
具体的には
第10帖「賢木(さかき)」の巻、
第12帖「須磨(すわ)」の巻、
第28帖「野分(のわき)」の巻、
第46帖「椎本(しいがもと)」の巻
です。
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第12帖「須磨」の巻は、光源氏が朧月夜(おぼろづきよ)との密会がばれ、都を追われてたどりついた須磨での日々を描いています。
 
わびしい住まいで寂しい謹慎生活を送る光源氏でしたが、ある日、須磨一帯を暴風雨が襲います。
 
この暴風雨は何日も続き、高潮が発生し、波が御座所(ござしょ)近くまで打ち寄せ、光源氏は恐怖におののきます。
 
この「須磨」の巻には地震の記憶が隠されているという説があります。
 
光源氏の屋敷は須磨の山手にありましたが、その高台まで高波がやってきています。たくさんの人々が高波にさらわれたという描写もあります。
 
これは津波を示唆しているのではないかと考えられています。
 
また、このとき光源氏は須磨の海がいちめん光に満ちるのを目撃しています。
 
地震前には発光現象が起こるといわれています。
 
つまり、光源氏が目撃したこの不可思議な現象は、この地震発光なのではないかと考えられるのです。
 
歴史文献によると須磨では1596年に大地震があり、津波に襲われたことがわかっています。
 
はるか古代から、日本は自然災害に立ち向かってきているのですね。
 
 
 
 
今日ご紹介するチーズは「能登味噌チーズ」です。
 
武蔵が辻のエムザ地下一階にあるチーズ工房「ミモレット」さんのオリジナルチーズです。
 
スイスの「チーズの王様」と言われるエメンタールチーズを、奥能登珠洲市にある遠藤味噌店の手作り味噌に漬け込んでいます。
 
この味噌は、珠洲特産の「大浜大豆」と珠洲の「天然塩」を使った無添加の手作り田舎みそで、奥様がお一人で作られていらっしゃいました。
 
この遠藤味噌店も被災されています。
 
チーズ工房ミモレットさんが手元に残っていた遠藤味噌を使い、能登へのエールを込めてつくった貴重なチーズです。
 
遠藤味噌は香り豊かで旨味が強いため、香りのやさしいエメンタールチーズを漬け込むことで、風味豊かな味噌チーズに仕上がっています。
 
ご飯と共に召し上がっていただけますし、セイボリーなお茶請けにもなります。もちろんお酒もお勧めです。
 
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私たちがいまできることで、未来に向けて応援したいと思います。
 
 
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202412795136.jpeg 旬のチーズと季節のしつらいを学ぶレッスンの様子
 
 
 
2月からは「能登地方支援セミナー」を開催してまいります。
能登の食材をつかったチーズレシピや、北陸の食材、とくに乳製品関連の話題、能登ワインとのペアリングお話などを展開する予定です。
セミナー参加費は義援金とさせていただきます。
スケジュールは、追って、SNSやWEBサイトでご案内させていただきます。
 
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今年も、月末に旬のチーズと季節のしつらいを学ぶレッスンをしています。
美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。
 
お問い合わせはこちらより>>
 
 
 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 

 

冬のご馳走とろ~りチーズ!「スプーン1杯の幸せ」

みなさま こんにちは。

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明日の夜はクリスマス・イヴですね。

「クリスマスの前日」と思われているクリスマス・イヴ(Christmas Eve)。

Eveは夕方や晩を意味する『evening』の古語『even』が語形変化したものです。

つまりChristmas Eveを直訳すると「クリスマスの夜」となるわけですね。

では、なぜクリスマス当日の25日ではなく、24日の日没後からが「クリスマス・イヴ」なのでしょうか。

それは、キリスト教の母体となったユダヤ教の暦にあります。

ユダヤ暦では、朝ではなく日没を境に日が変わります。現代の「12月24日の夜」は、ユダヤ教の暦で言うと「12月25日の始まり」になるのです。

つまり、12月24日の日没後からすでにクリスマスは始まっていると考えることができます。

クリスマス・イヴは「クリスマスの前日の夜」ではなく「クリスマス当日の夜」という意味になるわけですね。

キリスト教徒にとって、クリスマスは「神の御子がお生まれになったことを祝う神聖な日」です。

基本的には家族と一緒に教会へ行き、礼拝に参加して慎ましく過ごします。

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アメリカNew York州の北端の田舎に留学していた時のことです。

12月に入ると、クリスマス前の日曜日に、ホストファミリーと共に、大きなショッピングモールへでかけました。

お父さんはお母さんのプレゼントを。お母さんはお父さんのプレゼントを。

子供たちはそれぞれのほしいものを、決められた予算内に収まるよう、ショッピングモールを駆け巡りながらお買い物をします。

その間、両親は事前にリサーチしている、子供たちに伝えている予算では買えない、ちょっと特別で学業にも役立つプレゼントを選んでいました。

クリスマスショッピングを終えて、お家に帰ると、子供たちは早速、大きな大きなツリーの下に、プレゼントを並べまます。

このツリーはお家の裏山で、ホストファザー自ら切った、もみの木です。

吹き抜けのリビングに置くと、天井まで届く大きさです。

もみの木を運ぶ際にこぼれた、小さなもみの木の幹は、子供たちの部屋にクリスマスツリーとして飾られます。

家の中はもみの木の香りで神聖な気持になりました。

クリスマスの朝、暖炉の前にかけられていた大きな靴下には、両親から子供たちへのプレゼントが入っていました。

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素敵なラッピングペーパーは、あっという間にびりびりびりーと子供たちに開けられ、うれしい叫び声が家中に広がりました。お昼過ぎには、親戚が集まり、大勢で七面鳥やご馳走を囲んで、ビッグディナーをしました。

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賑やかで、華やかな、クリスマスを、思い出します。

そのままクリスマスは1月6日まで続くのですが、大晦日やお正月のお節料理などは無いので、ちょっぴり物足りない新年を迎えたことを覚えています。

でも、もみの木の香りが、新年の松飾りを思い出させてくれました。

日本ではお正月に家族や親せきが集まり、初詣やお節料理を楽しみますね。

お正月の思い出としては、金沢ではおなじみ「旗源平合戦」です。

源氏と平家の二手に分かれて,2つのさいころを振り,出た目によって相手の旗をとるというものです。 そして最後に相手の最高位のまといをとった方が勝ちという遊びです。

さいころの目によって、「にゃぁにゃ2本」「さぶろく1本」「ごさまのかんかんと」「うめがいちぃ!」と呪文のような掛け声をあげて笑顔はじけたことが懐かしいです。

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クリスマスから年末年始にかけて、この季節にぴったりの、チーズをご紹介します。

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冷え込みが強くなる季節に出回るフロマージュ「Mont d'Or」です。

Montは山。オールは黄金。「黄金の山」の意味を持ち、縁起の良いチーズです。

その故郷は、スイスとフランスの国境にそびえ立つジュラ山脈の標高1463mのモンドール (Mont d’Or)山一帯の農村です。

円形の木箱に入っていて、表皮は黄から明るい茶色。やわらかくて濃厚なミルク感に加えナッツようなコクとウッディなフレーバーが特徴のウォッシュタイプチーズです。

製造期間が8月15日から翌年の3月15日(販売は9月10日から翌年の5月10日まで)定められており、市場に出まわる期間が4ヶ月ほどと短く、いまが旬のフロマージュです。

ルイ15世(Louis XV、1710年2月15日 - 1774年5月10日)も召し上がったというお話もあります。

昨日、3kg以上(赤ちゃんの体重くらい)もあるモンドールを、10数名で楽しみました。

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そのままのチーズを召し上がっていただいた後、熱であぶり、焼きモンドールにしました。

スプーン1杯のとろとろのチーズを、バゲットや温野菜にかけます。心も体もほかほかになりました。

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毎月、月末に「旬のチーズと季節のしつらい」を学ぶレッスンを行っています。

美味しく、美しく、チーズをカットして、すてきな一皿にアレンジします。

おもてなしにも役に立つ、食材のカットやアレンジ方法が身に付きます。

食を通じて、北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践していますので、日々の食卓に、季節の彩りを添えたひとときを感じる機会になります。

実はオンラインでもレッスンをしています。テーマに合わせたチーズをあらかじめお送りさていただきます。オンラインではモニター越しに、その時のチーズの説明、様々なタイプに適したチーズカットの方法、盛り付け方やアレンジメントを、ご覧にいただきます。ご一緒にカットされてもよろしいですし、後日、ご自身でつくられた作品を撮影して送っていただければ、アドバイスさせていただきます。

チーズのかしこい買い方や、扱い方、保存方法についてもお伝えしています。

年末年始、ご家族やご親戚の皆さま、お友達と集う機会が多いかと思います。

お家でおもてなしする際の、お役に立てるでしょう。

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ちょっと早いのですが、来年2024年のお知らせもさせてください。

2月23日(金・祝)、ANAホリデイ・イン金沢スカイホテルにて金沢市工芸展レセプションが開催されます。工芸品を使用した食空間のコーディネートを提案する作品が表彰されます。審査員として参加します。

4月14日(日)、ITビジネスプラザ武蔵で、チーズと紅茶とのペアリングを楽しみながら、コミュニケーションツールとしてのアフタヌーン・ティーを学ぶセミナーを開催します。詳しくはチーズプロフェッショナル協会WEBサイトをご覧ください。

また、5月14日(火)から2週間、石川国際交流サロンで、「第7回 季にあひたる 和のしつらい洋のしつらい」作品展を行います。

 

どうぞ素敵なクリスマスと、佳き年末年始をお過ごしくださいませ。

 

 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 

 

自然の恵みに感謝をしていただく季節のチーズ

みなさま こんにちは。

過日は、いしかわ百万石文化祭2023応援事業でもあった「季にあひたる 和のしつらい洋のしつらい」作品展にご来場をいただき、ありがとうございます。

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クリックすると大きな画像をご覧いただけます

 

 

あっという間に11月も後半となり、寒さが一段と増してまいりました。

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さて、一昨日、11月23日は「勤労感謝の日」でした。

 

「勤労感謝の日」は、「私たちの生活を支える『勤労』と『生産』に、お互いに感謝をしあう日」として1948年(昭和23年)の「国民の祝日に関する法律」で制定された祝日です。

家族や友人と食卓を囲み「ありがとう」の言葉を交わした方もいらっしゃると思います。

 

この祝日法が制定される前は、「新嘗祭(にいなめさい)」の休日でした。

「新嘗祭」は、『古事記』にも記されている、とても古い歴史を持つお祭りです。

新嘗祭の「新(にい)」とは新穀(しんこく)を。「嘗(なめ)」とは奉る(たてまつる)ことを意味しています。

その年の新穀をお供えし、八百万の神々に一年の実りへの感謝とともに、国家国民の安泰をお祈りします。

 

「勤労感謝」の『感謝」の基(もとい)は、健康のうちに勤め上げ、実りを得られた喜びを神様に捧げる「感謝のこころ』なのですね。

 

新嘗祭をイメージしたチーズプラトー
新嘗祭をイメージしたチーズプラトー

 

 

「感謝」といえば、アメリカでは、「感謝祭(Thanksgiving Day)」を祝い、家族や親戚と集まり七面鳥を食べます。

イギリスからアメリカに渡ってきたpilgrim(ピルグリム)と呼ばれる人たちが、新しい土地での初めての収穫を神に感謝をしたことが起源です。

その食べ物の栽培方法を教えてくれた先住民であるネイティブアメリカンを招き一緒に祝いました。

このような起源があることから、家族で集まりお互い感謝しよう! といった気持ちで、楽しく食事をします。

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収穫を祝う季節、かぼちゃやリンゴ、サトイモ、青梗菜、マツタケ、シイタケ、カボス、キウイ、柿、ブドウ、栗など、おいしい穀物がたくさん市場に並んでいますね。

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写真提供:近江町市場商店街振興組合

 

 

そして、これから迎える12月13日は、「正月事始め」です。

万全のお正月を迎えるために、時間をかけて丁寧に、煤払いや門松・お節やお酒・そして鏡餅の準備をするしきたりがあります。

 

幼いころは、「正月事始め」とは気がつかず、家族の為に支度をする祖母の後を追いながら、お手伝いをしていました。走り回っていると、冬の寒さも吹っ飛びました。

そして、祖母の作るかぼちゃの煮物や、お芋の煮っころがし、ぶりの塩焼き、お豆の煮たものが楽しみでした。

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さて、こんな忙しい時期には、チーズで栄養補給しましょう。

チーズは「自然の恵みへの感謝」と「人々の知恵」によってつくられてきました。

 

今日は、現存する世界最古のチーズと言われている「フェタ(Feta)」をご紹介します。

ギリシャやトルコでよく食べられているフレッシュチーズの一種です。

伝統的なフェタは「羊乳に最大30%までの山羊の乳を合わせる」というルールで作られています。

見た目は白色。不均一な小さな孔が沢山あり、外皮はなく、ほろほろとした木綿豆腐に似ています。

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名前の由来はギリシャ語で「スライス」。スライスして樽に入れ、塩漬けにする製法です。

フェタの歴史は紀元前にまで遡ります。ギリシャでは神々への供え物としてフェタが神話に描かれるなど、古代からギリシャ人にとって生活に欠かせないものでした。

神様と食はいつの時代も結びついていますね。

 

春につくってフレッシュなまま食べ、残りは塩漬けにして保存します。

サラダのトッピングや様々な料理の味付けにも活用できます。

お正月のお節の一品に、フェタと干しブドウとナッツの盛り合わせや、オリーブとミニトマトであえたサラダなどはいかがでしょうか。

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フェタは、ビタミンAやビタミンB2が豊富でカルシウムも多く含まれ、栄養面でもバッチリ。

またハリウッドセレブたちに人気で、脂肪燃焼を促進する脂肪酸が豊富でダイエット効果が抜群といわれています。

 

さて、毎月、月末に「旬のチーズと季節のしつらい」を学ぶレッスンを行っています。

美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて、北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。

2023112510044.JPG器に盛りつけたチーズ

2023112510148.JPGプレゼント用のチーズBOX 

 

オンラインのチーズレッスンも開催しています。

旬のチーズを事前に宅配便でお届けします。

ご自宅にいながら、チーズの知識や扱い方、盛り付け方、お料理へのアレンジなどをお学びいただけます。

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【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 

 

お陰様の観月と、ハロウィンのチーズBOX

みなさま こんにちは。

あっという間に十一月に入りますね。

 

昨日2023年10月27日は、旧暦の9月13日にあたり、十三夜のお月見でした。

十三夜の月は、満月になる前ですから、すこし欠けた月です。

満ちてくる少し前の月を美しいと称える、日本人の豊かな感性を感じます。

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2021年第4回季にあひたる作品展より「月の夜(京うちわ 阿以波)」で十三夜のしつらい

 

 

観月の楽しみは、旧暦8月15日の十五夜(中秋の名月)と、旧暦9月13日の十三夜。

そして旧暦10月10日の十日夜(とおかんや)を含めて3回あります。

 

「十五夜」は中国から伝わり、平安貴族が観月の宴を催す風雅な楽しみとして始まりました。

やがて庶民に広がり、収穫への感謝が加わり、「十三夜」、「十日夜」にお月見をするようになりました。

 

月見だんご、すすき、芋などの収穫物をお供えし、感謝と祈りを捧げる行事を大事にしてきた日本人。

どちらか一方の観月しかしないことを「片見月」「片月見」と言い、中秋の名月を眺めたのと同じ場所で、再び月を眺めるようにしています。

 

今年2023年の十五夜は9月29日で、ちょうど満月にあたりましたね。

十三夜は昨日の10月27日。そして十日夜は来月の11月10日(金)です。

ちなみに、十五夜は、毎年満月とは限りません。次に十五夜が満月にあたるのは、2030年だそうです。

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2021年第4回季にあひたる作品展より 観月のしつらい

 

 

十五夜、十三夜、十日夜をみてみると、風情を楽しむだけではなく、収穫と密接な関わりがあることが判ります。

 

古来、月と太陽は陰と陽の象徴であり、月は「お陰(かげ)さま」の心に通じると考えられてきました。

収穫物は生きる糧ですから、支えてくださる物事や力添えに対し、お月見をしながら感謝をするのも道理といえるでしょう。

 

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「秋の野(京うちわ 阿以波)」で十五夜のしつらい

 

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収穫に感謝する行事は、西洋でも行われています。皆さんご存じのハロウィンもその一つ。

2000年以上も前の古代ケルト人の祭礼「サウィン(Samhain)」が起源といわれます。

 

サウィンは「夏の終わり」を意味し、秋の収穫を祝うとともに、悪霊を追い払う宗教的な行事として、古代ケルト人の暮らしに根づいていたお祭りです。

 

ケルトの暦では、10月31日は1年の終わりの日であり、現世と来世を分ける境界が弱まる時。そして、死者の魂が家族のもとへ戻ってくる日としても信じられていました。

ですから、死者の魂とともに悪霊も一緒にやってくると考えられ、その悪霊に人間だと気づかれないように、火を焚いたり仮面を着けたりして身を守りました。この風習が、ハロウィンの代表的な習慣である仮装の起源なのです。

 

アメリカに高校留学をしていた時のこと。

ハロウィンの日、先生も生徒も、スクールバスの運転手さんも、みんな朝から仮装をしていました。

「ハッピーハロゥイン」にちなみ、日本から持参した法被を羽織って登校しました。

 

「Trick or Treat(お菓子をくれないと、いたずらしちゃうぞ)」と言って、子供たちがキャンディやお菓子を貰うために近隣のお家を巡ったことを思い出し、今日はお菓子と共にチーズをご紹介します。

 

北海道のチーズ工房 アドナイが造る「ミモレット・アドナイ」に、ハロウィンをイメージしたチョコレートを添えています。国産ミモレット第1号として知られています。

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フランス産のミモレットより、ひとまわり小さな1.8kg。ボールのように丸い形をしたセミハードチーズですジャックオーランタンのような色鮮やかなオレンジ色が特徴です。

熟成の若いものは柔らかい食感ですが、熟成が進むにつれて身がしまり硬くなります。

ミモレットチーズに、ハロウィンのイメージを型取ったチョコレートを添えました。

優しい塩味とミルクキャラメル風味のチーズと、チョコレートのカカオ風味の相性をお楽しみください。

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秋は、熟成タイプのチーズが特にお勧めです。

 

毎月、月末に「旬のチーズと季節のしつらい」を学ぶレッスンを行っています。

美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて、北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。

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生徒さまの作品「ハロウィンのチーズBOX」

 

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10月14日から開催中の「いしかわ百万石文化祭」の応援事業として、10月31日から11月12日まで石川国際交流サロンで「第6回 季にあひたる」作品展を開催します。今回のテーマは「創る」です。

 

CREATION, NOT CRITICIZM

 

新しいものを生み出すこと、創造性を重視し、批評や否定ではなく、自由な想像力と発想力で、アイデアの実現をすることに焦点を当てていきます。

大正末期に建てられた日本家屋に、和と洋のしつらいをし、皆さまをお迎えします。

ぜひお出かけください。

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11月13日には、チーズプロフェッショナル協会北陸幹事会主催のイベント

11.13 金沢 工芸とチーズ 第三弾!」を開催します。

アペリティフタイムに、武蔵が辻にオープンしたばかりの『鏑木商舗 武蔵店』にお集まりください。

入場参加料は会員は1500円。一般2000円。

乾杯用のアペリティフドリンクとアペタイザーチーズが付きます。

おかわりチーズや、おかわりドンリンク、クラフトビール、ジェラートは、500円チケットを購入して、気軽にお楽しみいただける企画です。黄昏時の17時半から19時半の間。入退室自由です。チーズについてのミニレクチャーも行います。是非、ご参加ください

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次回の放送でも、季節の移り変わりと、チーズの楽しみ方をこの番組でご紹介してまいります。
 
次回この時間にお耳にかかれますこと楽しみにしております。
 
 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 

 

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