天使のためいき ぶどうの涙
ゆきのまち通信(2015年7月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
パナマ帽の粋
夏は来ぬ
祖父の洋服箪笥の上には
まあるい箱がいくつもあった
季節ごとに その箱からは
いろんな帽子が取り出され
祖父のお出かけのお伴となった
初夏の日差しの中を
パナマ帽で歩いて行く祖父の後ろ姿
その横には絽の和服に
ラベンダー色のパナマ草履の祖母
白いレースのパラソルが揺れていく
「粋」という言葉は知らなくて
「かっこいいなあ」と見送った あの夏
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2015年5月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
ジューン・ブライド
白い花と白いキャンドルも
英国の六月 薔薇が香る美しいとき
六月の花嫁は 幸せになると言われます
結婚の女神 ジュノーに守られるからです
ふたりのために
家庭的なクロカンブッシュを作りましょう
フランス菓子 シュー・ア・ラ・クレームのシューを
飴で固め 円錐形に高く重ねあげます
シューはフランス語で キャベツのこと
子孫繁栄の象徴です
このクロカンブッシュを 花嫁と花婿が小槌で打ち
お客さまに配ります
さあ シャンパーニュを開け ふたりに祝福を
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2015年3月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
ベイビー・シャワー
ベイビーシャワー
出産を控えた友人夫妻を招いて
春の午後 ベイビー・シャワーを開きましょう
アメリカで始まった この合理的な集いでは
赤ちゃん誕生の前に
お祝いのプレゼントを贈ります
ドレス 下着 ソックス ブランケットなどを
大きなバスケットにつめて
淡いブルーやピンクのリボンで結び
未来のパパママを招いたシャワー(お茶会)で
友人たちが手渡します
赤ちゃんの身の回りの品を形どった
ビスケットやテーブルセッティングを忘れずに
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2015年1月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
暮らしを紡ぐ
今様しつらい私流
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2014年11月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
菊薫る
a drift of fallen leaves
小さな 小さな紅葉
いちょうの葉っぱ
白や うす緑の巻きせんべいは
ウェハースのようにサクサクとした歯ごたえ
しょうが味に砂糖をまぶしたものは
けやき落葉がくるまった形でしょうか
愛らしい干菓子の数々は
風で吹き寄せられた
木の葉を型どったもの
秋から初冬にかけての季節感を
鮮やかな漆器に盛り合わせ
日本の繊細な美意識を楽しみます
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2014年9月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
菊薫る
菊薫る
菊の花に宿った朝露を
一滴一滴 そうっと真綿にとり
集めた露で 酒を造ったのが
加賀の菊酒の始まり との説がある
中国では 菊に被せた真綿で
身体をぬぐうことで 邪気を払い
不老不死を願った
陽の数 九と九が重なる 重陽の節句
平安時代に 中国から日本の宮中に伝わり
雅な菊合せや 和歌の宴に
その後 庶民にも広がったが
今日では あまり知られていない
新涼を待つ気持ちを込めた しつらいを
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2014年7月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
風を纏う
風を纏う
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2014年5月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
菖蒲 尚武 勝負
結ぶという行為は魂を生む
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2013年11月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
サンタへの贈りもの
Very Merry Christmas
十二月二十四日は忙しい。
家族や友人への贈りものは揃ったかしらん。
二十五日に楽しむクリスマス・ディナーに
ターキーは間に合うでしょうね。
テーブルセッティングは白と赤と緑で。
忘れてならないのは、サンタさんへのお礼。
小さなテーブルに、クッキーと紅茶と手紙。
「サンタさん、贈りもの有難う。ひと休みしてね」
二十五日の朝、手紙は消え、
クッキーはかじられ、紅茶も減っている。
子供たちに気付かれず、クリスマスを迎えるのは
けっこう、大変なのです。
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2013年9月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
花詞「恋の吐息」
見果てぬ夢、蒼き薔薇
世界には五千種を超える薔薇があり、
毎年さらに新しい品種が生れています。
育種家の、気の遠くなるような努力を経て。
ふしぎなことに育種家には
独身男性が多く、とても長寿なのです。
薔薇に付けられる名前は、
ロイヤルファミリー、スターたち、
神話、聖書、文学作品の登場人物・・・。
魅力に満ちています。
シーボルトが英国に持ち込んだハマナスから
さまざまなイングリッシュ・ローズが誕生。
薔薇に秘められた物語を繙く、秋です。
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ