MRO北陸放送
進化する日本の『プロセスチーズ』春夏秋冬いつでも「旬」です
2025年3月22日(土)
みなさま こんにちは。
- 子供の純粋な心や、成長と責任感を語りかける「ピーターパン」
- 真実の愛、友情と助け合いの物語「白雪姫」
- 内面の美しさと愛の力を見つめなおす「美女と野獣」
- 忍耐強く努力し続ける大切さを教えてくれる「シンデレラ」
【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】
「きんかんなまなま」と山羊乳の『ブルードシェーヴル Bleu de Chèvre』
2025年2月22日(土)
みなさま こんにちは。
寒い日が続きますね。
学生時代、雪かきをして登校しました。
祖母が「今朝は、きんかんなまなまやさかいぃ、気ぃつけぇてぇ行きまっしぃ」と送り出してくれたことを思い出します。
金沢弁で、雪道が凍ってつるつるになり、滑りやすくなっている状態を意味する言葉です。
※金柑の皮は新鮮であればあるほど表面がつるつるしていることが由来
さて、このように寒い時期に、山羊は出産をはじめます。
なぜこんな寒い時に?と思いませんか?
山羊の多くは短日繁殖動物(たんじつはんしょくどうぶつ)といって、日が短くなる秋(9〜11月)に発情し、交配することが多いです。
山羊の妊娠期間は約5か月(150日程度)なので、春先(2〜4月)に出産することになります。
- 寒い春先に出産するのは、極寒の冬よりも春の方が暖かく、生存率が上がる。
- 春は草や新芽が生え始め、母山羊が栄養豊富な食事をとって母乳の質も向上する。
- 暖かい時期に比べて肉食動物の活動がやや低下するため、生まれたばかりの子山羊が襲われにくい。
といったメリットがあるそうです。
寒い時期に出産し、暖かくなるにつれて子山羊が成長することで、放牧に適したタイミングで丈夫に育ちます。
今日はその山羊乳で造るブルーチーズ「ブルー・ド・シェーブル」をご紹介します。
フランスのオーヴェルニュ地方で造られています。
オーヴェルニュ火山広域公園の境界、サンシー山麓の標高約950メートルの地に拠点を構えるラカイユ社。
1948年にラカイユ市のアントワーヌ・サルリエーヴ市長が旗振り役となり、第2次世界大戦の貧困から地域を立て直すために設立されました。1971年には協同組合となり、いくつもの伝統的なブルーチーズを生み出しています。
その近隣に位置する15軒の山羊乳生産者からの提案を受けて開発されました。
通常、ブルーチーズは牛乳製や羊乳製が多いのですが、地元のアルピーノ種の山羊乳を使用した珍しいブルーチーズです。
山羊乳は凝固しにくい特性があり、この性質を活かして、クリーミーなチーズに仕上げています。
美しい青カビが特徴で、適度な塩味ととろけるような食感が楽しめます。
金柑やイチジクなど甘みのあるフルーツと組み合わせると美味しさが引き立ちます。
ハチミツを入れた温かい紅茶や、甘みと酸味がある梅酒、スパイスの効いた甘めのホットワインとのペアリングもお勧めです。
ブルーチーズは水分が多く、生地が崩れやすいものが多いので、ワイヤーでカットすると断面がキレイに保てます。
パンに薄くカットしたチーズをはさんだり、塗ってスプレッドとしても楽しめます。甘めのドライフルーツとも相性が良いです。
さて、お知らせです。
3月11日(火)から2週間、石川国際交流サロンで、
「第8回 季にあひたる 和のしつらい洋のしつらい」テーブルコーディネート作品展を行います。
テーマは「物語」。
工芸を用いた食卓を通して、物語の魅力をお楽しみいただきます。
午前10時から午後18時まで、入場無料、月曜日は休館日です。
次回の放送でも、季節の移り変わりと、チーズの楽しみ方をこの番組でご紹介してまいります。
次回この時間にお耳にかかれますこと楽しみにしております。
【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】
寒い季節には燻製チーズ『サンシモンダコスタ(San Simón da Costa)D.O.P.』
2025年1月25日(土)
みなさま こんにちは。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
毎月25日は、「学問の神さま」であり、「前田家の先祖」でもある、
菅原道真を祀る神社の縁日です。
特に1月25日は、その年初めての「天神の日」なので、「初天神祭り」です。
金沢市の天神町にある椿原天満宮や、兼六園内の金澤神社には、参拝者が訪れ、合格祈願や学業成就を祈る姿が見られます。
私が受験やコンクールに挑む際、両親は金澤神社で祈願してくれています。
感謝をこめて、お礼の参拝に行きます。
さて、一月から二月にかけては、新たなスタートとなる日が3つ続きます。
1月1日の正月、そして旧暦の正月(春節 2025年は1月29日)、それから立春(2025年は2月3日)の3つの新年です。
正月には、家族に挨拶をし、新しい決意を持ちます。
旧暦の新年には、暦への伝統を感じます。
立春には、前日の夜に「福は内、鬼は外」と豆まきで疫病神を追い払い、新たな季節の訪れを祝います。
生活に彩りを添え、豊かな四季を感じて成長できるよう、祖母は節目ごとに、床の間をしつらい、季節の料理を作ってくれました。祖父は、孫を集めて、おつとめ(お経を読む)や、旗源平などの郷土に根付いた遊び、節分の豆まき、卯辰山へ参拝などに連れて行ってくれました。
北陸の冬は寒いのですが、「春は雪の中から」。はじまりの季節に感謝しています。
寒い季節に食材を燻し、独特の風味と香りを楽しめる「燻製」がブームです。
今日はスペインのガリシア地方で作られる伝統的な燻製チーズ「サンシモンダコスタ(San Simón da Costa)D.O.P.」をご紹介します。
タケノコのようなユニークな形をしています。
丸ごと一個(ホール)で1㎏、赤ちゃんのお顔ぐらいの大きさです。
ガリシア地方のアベドゥールという樺の木を使って燻製するため、外皮は黄金色。
コーヒーやキャラメルのような香ばしさがあります。
新鮮なミルクを使って作られ、最低45日以上の熟成を経る製造ルールにのっとった、セミハードタイプのチーズ。ほんのり甘いミルクの風味を楽しめます。
チーズの名前 「サンシモンダコスタ」は、中世から聖なる場所とされてきたサン・シモンの丘(Monte de San Simón)に由来しています。「da Costa」は海岸の意味。
今日は「ジロール」という小型のハードチーズで丸い断面を削る専用の道具を使ってカットしました。
ナイフやスライサーよりも薄く、花びらのように美しく削ることができます。 薄く削ることでチーズの香りが一層広がり、口溶けも良くなります。
チョコレートのポッキーは、鬼の金棒をイメージしています。
サクランボのドライフルーツは、千両万両南天といった縁起の良い植物のイメージ。
ヒイラギと福豆も添えています。
聖なる新たな気持で、2025年を進んでまいりましょう。
お知らせです。
2025年2月11日(建国記念日)に、11時30分から13時30分、フランスチーズシュヴァリエの米田シェフによる「チーズフィンガーフード教室」を開催します。
チーズ業界のパイオニア、本間るみ子先生がゲストとして金沢にいらっしゃいます。本間先生を迎え、「ぶどうの森 タパス エ バール」の美味しいワインと、米田シャフによるチーズを用いたフィンガーフードを楽しみながら、ご一緒にチーズフィンガーフードを学びましょう。
石川の工芸にチーズを盛り付ける試みもご紹介します。。
お申し込みは、チーズプロフェッショナル協会のWebサイトから。
夕刻には、本間るみ子先生を囲んでの懇親会があります。
また、3月11日(火)から2週間、石川国際交流サロンで、「第8回 季にあひたる 和のしつらい洋のしつらい」作品展を行います。
テーマは「物語」。工芸を用いた食卓を通して、物語の魅力をお楽しみいただきます。
午前10時から午後18時まで、入場無料、月曜日は休館日です。
次回の放送でも、季節の移り変わりと、チーズの楽しみ方をこの番組でご紹介してまいります。
次回この時間にお耳にかかれますこと楽しみにしております。
【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】
夢を育み、エネルギーを得て、新しい年を迎えるチーズ『タカラのムスヒ』
2024年12月28日(土)
みなさま こんにちは。
今年も残りあと4日。
12月28日は「官公庁御用納め」ですが、 「ディスクジョッキーの日」、「シネマトグラフの日」でもあります。
「ディスクジョッキーの日」は、ラジオDJやパーソナリティの魅力を 広めるために制定されました。
日本のディスクジョッキーの草分け的存在「糸居五郎さんの命日」にあたる1984年12月28日にちなんでこの日に なりました。
糸井五郎さんの名セリフ「君が踊り、僕が歌うとき、新しい時代の夜が生まれる。太陽の代わりに音楽を。青空の代わりに夢を。フレッシュな夜をリードするオールナイトニッポン」。
小学校高学年になると、ラジオを聴きながら勉強をすることに憧れました。
今日、MROラジオ放送でお話をさせていただいていることに、感謝しています。
「シネマトグラフの日」は、1895年12月28日に映画の原型となった 初期の映画装置「シネマトグラフ」による映画が初公開されたこと に由来しています。
映画の始まりは1888年。トーマス・エジソンが、シカゴ万国博覧会で 発表した「キネトスコープ」で、のぞきめがね式の装置の中でフィルムを回転させ、「写真を使った動く映像」を1人で鑑賞するスタイルでした。
1895年(明治28年)、フランスのリュミエール兄弟は、エジソンの「キネトスコープ」を改良し、1台で撮影・映写・現像を行うことができる簡易な装置「シネマトグラフ」を開発しました。
そして12月28日、彼らが監督した『工場の出口』など10作品を公開。
リュミエール兄弟の「シネマトグラフ」は、現代まで続いています。
スクリーンに映像を映し、複数の人が同じ空間で共に楽しめる「映画」の原点となっています。
年末年始、音楽や映画などエンターテインメントを楽しまれる際、 その草分けや原点について思いを馳せてみてはいかがでしょう。
今日は「タカラのムスヒ」と命名された、北海道のソフトタイプチーズをご紹介します。
自然の乳酸菌をもとに仕込んだ酵母熟成チーズです。 生成り色で、とてもやわらかいです。
今年2月にこの番組でご紹介した「タカラのフュメ」をつくる 「チーズ工房タカラ(北海道喜茂別町)」の斉藤愛三(なるみつ)さんがつくっています。
お兄さん夫妻が、ストレスのない牧場で牛を育て「幸せの牛のミルク」を搾ります。
それを原料に、愛三さんが大自然に寄り添いながら「大地と共に生きる理念と想いを込めて」チーズをつくっています。
「タカラのムスヒ」の『タカラ」とはアイヌ語で「夢を育む」。
『ムスヒ』とは、古事記に出てくる言葉で、 「産み出だす・霊力(れいりょく)(神秘的な力)」=万物生成のエネルギー、という意味があります。
「ムス」は生じる。「ひ」は霊威(れいい)(不思議な威力)の意味。 天地、万物を生み、また成長する霊妙(れいみょう)(神秘的)な力が、チーズ名の由来です。
若いうちはカットして召し上がっていただけます。
熟成させるとトロリとしてくるので、木箱からスプーンですくって楽しめます。
チーズから夢を育み、エネルギーを得て、新しい年を迎えましょう。
毎月末「旬のチーズと季節のしつらい」を学ぶレッスンを行っています。
美味しく、美しく、チーズをカットし、すてきな一皿にアレンジします。
おもてなしにも役に立つ、食材のカットやアレンジ方法が身に付きます。
食を通じて、北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践していますので、日々の食卓に、季節の彩りを添えたひとときを感じる機会になります。
オンラインでもレッスンをしています。
テーマに合わせたチーズをあらかじめお送りさていただき、モニター越しに、チーズの説明、適したチーズカットの方法、盛り付け方やアレンジメントを、ご覧いただきます。
ご一緒にカットされてもよろしいですし、後日、ご自身でつくられた作品を撮影して送っていただければ、アドバイスさせていただきます。
チーズのかしこい買い方、扱い方、保存方法についてもお伝えしています。
年末年始、ご家族やご親戚の皆さま、お友達と集う機会が多いと思います。 お家でおもてなしする際の、お役に立てるでしょう。
(チーズは同じでも、プラトーは十人十色。ご自身のイマジネーションを活かして盛り付けます。クリスマスと正月おせち料理のイメージで創りました)
(MROラジオ放送のスタジオに届けた「タカラのムスヒ」チーズアレンジ)
【お知らせ】
来年、2025年2月11日(建国記念日)に、11時30分から13時30分、フランスチーズシュヴァリエの米田シェフによる 「チーズフィンガーフード教室」を開催します。
チーズ業界のパイオニア、本間るみ子先生がゲストとして金沢に いらっしゃいます。
本間先生を迎え、「ぶどうの森 タパス エ バール」の美味しいワインと、米田シャフによるチーズを用いたフィンガーフードを楽しみながら、一緒に学びましょう。
お申し込みは、チーズプロフェッショナル協会のWebサイトから。
夕刻の懇親会も企画しています。
また、3月11日(火)から2週間、石川国際交流サロンで、 「第8回 季にあひたる 和のしつらい洋のしつらい」作品展を行います。
テーマは「物語」。
工芸を用いた食卓を通して、物語の魅力をお楽しみいただきます。
午前10時から午後18時まで、入場無料、月曜日は休館日です。
次回も、季節の移り変わりと、チーズの楽しみ方をこの番組で ご紹介してまいります。
【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】
スパイシーな『アルディ ガスナARDI GASNA』であたたまりましょう
2024年11月23日(土)
みなさま、こんにちは。
「いしかわ四高記念公園」と「しいのき緑地」の間の並木道。アメリカ楓が色鮮やかに紅葉し、落ち葉で道路も色づいています。
知人の酒蔵では、今年第一号のお酒が搾りあがり、青々とした杉玉に付け替えたとの便りがありました。
杉玉は、杉の葉を集めて丸くボール状に作ったものです。酒蔵の軒先に吊るされ、新酒の完成や日本酒の熟成具合を知らせる役割があります。酒林(さりん)とも呼ばれます。
石川県内の酒蔵でも、新酒の仕込みが本格化しているとのニュース。
今月初めには、
「国連教育科学文機関(ユネスコ)の評価機関が日本酒や焼酎などの『伝統的酒造り』を無形文化遺産に登録するよう勧告した」
と、文化庁が発表しました。
日本の伝統的な酒造りの技術は、その恵まれた気候風土の中で育まれた「こうじ菌」を使う独特のものであり、日本が誇る文化として令和3年12月に国の無形文化財に登録されています。
来月、12月2〜7日にパラグアイの首都、アスンシオンで開かれるユネスコ政府間委員会で正式に決まる見通しです。
ユネスコ無形文化遺産に登録されれば、国内23件目。「和食」に続いて酒造りが、ユネスコ無形文化遺産の仲間入りをするのが待たれます。
日本酒は和食・洋食・中華などの料理とも組み合わせることができる最強のお酒だと思います。
提供を温度の違いや、器の素材や飲み口の形状の違いなど。一つのお酒を、幅広く楽しみ方を変えることができます。
冷蔵設備のない昔は、酒造りは「寒造り」といって、11月から3月頃までの寒い時期に限って行われていました。
杉玉が新調され、酒造りが活発になるこの時期。冬場は酒造りに適した条件が揃い、醸し出される酒の品質も最良であると言われていました。
海外でも人気が急増の日本酒。
私たちの「国酒」は、大きく羽ばたいていると思います。
さて、朝晩の冷え込みが増し、日中の天気は晴れたり時雨たり。
北陸の冬らしくなってきました。身体があたたまるチーズをご紹介します。
フランスのバスク地方で生産される、羊乳製セミハードタイプのチーズ「アルディ ガスナ ピマン デスプレット ARDI GASNA PIMENT D’ESPELETTE」です。
ピレネー地方で農家の人々は、羊乳製チーズのことを親しみを込めて「アルディ(羊)ガスナ(チーズ)」と呼んでいます。
AOP(原産地呼称保護)「オッソー イラティ」でも有名な産地です。
昔ながらの素朴なチーズには、コク深い羊乳チーズに、エスプレット村の名産品にもなっているAOP(原産地呼称保護)認定の唐辛子「ピマン デスプレット」が入っています。
この唐辛子の持つ上品な辛さの中に、甘さを兼ね備えたスパイシーな風味が、味わい豊かな羊乳製チーズにアクセントを加え、その独特な深みが人気となっています。
このスパイシーな味わいは、身体を芯から温めます。
チーズとチョコレートは相性が良いので、今日はチョコレートを添えました。
ティータイムにチーズとチョコで、心も身体もあったまってください。
季節のテーマにそって、チーズを様々な形にカット・アレンジをして、器に盛り付け、テーブルコーディネートと共に味わいながら楽しむレッスンを行っています。
12月20日には大きなモンドールを楽しむクリスマス会がございます。
また、来年、2025年2月11日(建国記念の日)に、11時30分から13時30フランスチーズシュヴァリエの米田シェフによる「チーズフィンガーフード教室」を開催予定です。
チーズ業界のパイオニア、本間るみ子先生がゲストとして金沢にいらっしゃいます。本間先生を迎え、「ぶどうの森 タパス エ バール」の美味しいワインと、米田シャフによるチーズを用いたフィンガーフードを楽しみながら、一緒に学びましょう。
ぜひ、スケジュール帳にメモしていただけると幸いです。
お申し込みは、後日チーズプロフェッショナル協会のWebサイトに掲載予定です。
次回も金沢の四季の移ろいと、旬のチーズの楽しみ方を、ご紹介いたします。
【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】
いにしえより日本で愛されてきた茶色。秋色の『ブラウンチーズ』
2024年10月26日(土)
みなさま、こんにちは。
秋晴れの美しい週末です。
気象庁の予報では、11月に入っても気温は高い傾向です。
冬の訪れはまだ先になりそうですね。
兼六園の紅葉は、例年11月中頃です。
濃い緑のなかの奥深い紅葉が美しい季節を迎えます。
さて、なぜ秋になると「紅葉」するのか、ご存じでしょうか。
気温が高い春から夏にかけて、樹々は日光をたくさん浴びます。
緑色の葉っぱは、自らの葉緑体から栄養分を作り出します。
これが理科で学んだ「光合成」です。
秋を迎え、気温が徐々に下がりはじめます。
すると、光を受けてエネルギーに変換する働きと、そのエネルギーを使って養分をつくる働きの連係プレーのバランスが崩れてきます。
樹々は葉っぱを維持するためのエネルギー量と、採算が合わなくなるため、葉っぱを落とすための準備を始めます。
この、葉っぱが役割を終える過程で、葉の色に変化が起こります。
樹木の種類によって、黄色く染まるものと赤く染まるものがありますが、いずれにしても「緑→黄」「緑→赤」と変化します。これが紅葉です。
きれいな落ち葉を拾って、本の間にはさみ、祖母と見せ合いっこをして遊びました。
今でも本棚から「押し葉」をした懐かしい本を見つけて開くと、タイムスリップをした気持ちになります。
「秋の色」のイメージは、黄色や赤色、そして茶色でしょうか。
茶色は大地や木の幹、動物の毛皮など古代から自然にある身近な色で、安心して身を預けることのできる支えの色といわれます。
そして落ち葉や朽ちた木々、泥など厳しい自然の力も表しています。
日本では茶色は古くから愛されてきました。
平安時代から続く、天皇が儀式で着用する赤茶色の装束「黄櫨染(こうろぜん)」。
櫨(はぜ)の木の黄色と蘇芳(すおう)の赤色、酢、灰汁(あく)などで染められ、太陽の光に当たると色が変化し、金茶色から茜色に変わり、着物の内側は太陽のように真っ赤に変化する、神々しい色です。
古くは禁色(きんじき)(日本の朝廷において、一定の地位や官位等を持つ者以外に禁じられた服装の色)とされていました。
また「朽葉色(くいばいろ)」は、はかない命や自然の摂理に美しさを感じる平安時代の貴族に愛されました。
江戸時代には、政府が派手な色を禁止したため、粋の文化として「江戸(えど)茶」「鶯(うぐいす)茶」「海老(えび)茶」など多くの茶色が庶民に広がりました。
自然を大切にする日本人にとって、茶色は美しさを感じる色だったのです。
今日は、茶色の季節にぴったりの「ブラウンチーズ(別名:ブルノスト)」をご紹介します。
ノルウェー発祥のホエイ(乳清)を煮詰めて作った乳製品で、ノルウェーの国民食とも言われるほど生活に根付いた食品です。
茶色の滑らかな組織が特徴的です。
チーズというよりはキャラメルのように見えます。
味もキャラメルのようです。
ほのかな甘みと塩味、そして少々の苦みとコクがあります。
おやつや、おつまみにも気軽にいただけます。
原産国ノルウェーでは、パンやワッフルにトッピングしジャムをのせて朝食や軽食として楽しみます。コーヒーとの相性も良いのです。
ミルクに溶かしても美味しいです。
〈ノルウェーのブラウンチーズ「ブルノスト」の楽しみ方〉
作り方はシンプル。大きな釜でホエイ(乳清)・生乳とクリームが合わせられ、糖分がカラメル状になるまで長時間煮詰めます。
乳糖を多く含むチーズを長時間加熱するとメイラード(Maillard)反応が起こり、褐色化します。褐色は主に薄茶色ですが、勝色(かちいろ)勝 (かち)に通ずるとも考えられています。
そうして、煮詰めたものを型詰めして冷やせば、ブラウンチーズが完成します。
時間はかかりますが、ご自宅でも材料とお鍋があれば簡単にブラウンチーズが造れます。
〈雑誌で紹介したブラウンチーズ〉
(日本では乳から作られたものがチーズという定義になっている(日本の「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令」の定め)ため、ブラウンチーズは実際にはチーズに分類されず ”乳等を主要原料とする食品” となります)
今日のブラウンチーズは、友人のチーズ工房で造られたものです。
ナチュラルチーズを造ると大量のホエイが副産物として得られるのですが、"大量"がどのくらいかと言うと、生乳を100%としたときにチーズになるのはわずか10%、残りの90%はホエイです。想像しているより大量ですよね?
ホエイには多くの乳酸菌は勿論、ビタミンやミネラルなどの栄養分が残っています。ホエイは捨てるには勿体無く、再生可能な力があると考え、注目を浴びるようになっています。
友人も、大量のホエイを廃棄することなく活用することを目的にブラウンチーズを造っています。
思いやりの心が込められた、ブラウンチーズです。
〈ナカシマファームのブラウンチーズ〉
〈友人のチーズ工房で造られたブラウンチーズ〉
〈MROラジオ放送にお持ちしたブラウンチーズ〉
〈ハロウィンのチーズプレゼンテーション〉
季節のテーマにそって、チーズを様々な形にカット・アレンジをして、器に盛り付け、テーブルコーディネートと共に味わいながら楽しむレッスンを行っています。
〈秋のテーブル〉
11月8日9日10日、「国内最大級の伝統工芸の祭典「KOUGEI EXPO IN ISHIKAWA」が、「石川県政記念しいのき迎賓館」で開催されます。メインテーマは「工芸の底力(そこぢから)・復興の翼 ~石川から未来につなぐ、日本の美技(びぎ)~」です。私は工芸を用いたテーブルコーディネートを展示します。ワークショップや展示販売もございます。ぜひお出かけください。
また、来年、2025年2月11日(建国記念の日)に、フランスチーズシュヴァリエの米田シェフによる「チーズフィンガーフード教室」を開催予定です。
チーズ業界のパイオニア、本間るみ子先生がゲストとして金沢にいらっしゃいます。本間先生を迎え、「ぶどうの森 タパス エ バール」の美味しいワインとチーズを用いたフィンガーフードを楽しみながら、一緒に学びましょう。
ぜひ、スケジュール帳にメモしていただけると幸いです。
お申し込みは、後日チーズプロフェッショナル協会のWebサイトに掲載予定です。
次回も金沢の四季の移ろいと、旬のチーズの楽しみ方を、この番組でご紹介してまいります。
【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】
芋・栗・南瓜、ホクホクした秋の味覚と共に『コンテ Comté』
2024年9月28日(土)
みなさま、こんにちは。
もうすぐ10月ですね。
高くなっていく空や、爽やかに吹き抜ける風に、ようやく秋の気配を感じています。
さて、秋といえば…「実りの秋」!
秋は食べ物がおいしい季節です。
みなさんのお気に入りの「秋の味覚」は何でしょうか。
あるアンケート調査によると、1位がさつまいも。2位が栗。3位さんま。4位梨。5位かぼちゃ。6位新米。7位ぶどう。8位柿。9位鮭。10位きのこ。でした。
小学生のころ、芋掘り遠足に行った思い出があります。
縦割り班活動と言って、6年生が1年生の手をつなぎ、5年生は3年生、
4年生は2年生と手をつないで、さつま芋畑へ収穫に向かいました。
はじめて芋堀りをした1年生の時。
帰り道は6年生のお姉さんに手をひいてもらい、ウトウト居眠りしながら歩いていました。
「この子眠りながら歩いているよ」と、だれかが声をあげました。
驚いて目が覚め、恥ずかしかったことを覚えています。
袋いっぱいに収穫したさつま芋。
誇らしげに持ち帰ると、祖母がふかし芋や煮物にしてくれました。
栗拾いにも行きました。
持ち帰ると、祖母があっという間に、栗ご飯にしてくれました。
大人になり、いざ栗ご飯を作ってみようとすると、渋皮を剥くのが大変なことがわかりました。
かといって瓶詰めや剥き栗を買ってきても、すぐ形が砕けてしまいます。
栗は鮮度が命!剥きたて・ゆでたての味は格別だということが身にしみました。
かぼちゃも同様。祖母はあっという間にかぼちゃの皮を剥いて、煮てくれました。
祖母は魔法使いのようでした。
祖母のつくってくれたホクホクしたさつま芋や、栗ご飯、味のしみたかぼちゃの煮物。その味が恋しいです。
さて、今日はナッツのような香りと栗のようなほくほくした美味しさで知られている、牛乳製のハードタイプチーズ「コンテ(Comte)」をご紹介します。
フランス3大「山のチーズ※1」の一つです。
フランス東部スイスに隣接するフランシュ・コンテ地方、厳しい冬を乗り越えるために長期保存を目的として作られる、重さ32~45kg(小学生の体重くらい)もある大型のチーズです。
自然豊かなこの地方の牧草を食べた乳牛から摂れるミルクはとてもまろやかで、それがチーズの風味に生かされ、素晴らしいアロマとなります。直径60cm程の巨大チーズ1個あたりに、なんと500Lものミルクを使用。まろやかなミルクがギュッと凝縮されているからこそ出せる芳醇な味わいが、高い支持を得ている理由のひとつ。
フランスではAOC(原産地呼称統制法)認定チーズの中で最も生産量が多く、広く親しまれているチーズです。
硬質で重量感があり、水分が少ないので旨味が詰まっています。
カットや食べ合わせによって、多様な味わいが楽しめます。
- おやつやおつまみとしてそのまま。
- スライスしてパンにのせて。
- サンドイッチの具材に。
- グラタン、スープ、フォンデュなど料理の材料として。みそ汁に入れても。
- ワインや日本酒のお供に。抹茶のお茶請けに。
- 黒コショウやパプリカなどのスパイスと共に。
- 味噌漬け、天ぷら、おにぎりの具材として。
- 羊羹や小豆餡、八つ橋などの和菓子と合わせて。どら焼きに挟み込むのも美味しい。
- 抹茶アイスに細かく刻んだコンテチーズをトッピング。
1958年にはAOP(原産地呼称保護)を取得しています。
※1:フランスのサヴァオ地方で作られるアボンダンスAbondance・ボーフォールBeaufort・コンテComteの3種類のハードチーズのこと。三大山のチーズA・B・Cと覚える。
季節のテーマにそって、チーズを様々な形にカット・アレンジをして、器に盛り付け、テーブルコーディネートと共に味わいながら楽しむレッスンを行っています。
また、2月11日(火・祝)に、フランスチーズシュヴァリエの米田シェフによる「チーズフィンガーフード教室」を開催予定です。
チーズ業界のパイオニア、本間るみ子先生がゲストとして金沢にいらっしゃいます。本間先生を迎え、「ぶどうの森 タパス エ バール」の美味しいワインとチーズを用いたフィンガーフードを楽しみながら、一緒に学びましょう。
ぜひ、スケジュール帳にメモしていただけると幸いです。
お申し込みは、後日チーズプロフェッショナル協会のWebサイトに掲載予定です。
次回も金沢の四季の移ろいと、旬のチーズの楽しみ方を、
この番組でご紹介してまいります。
【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】
山をあふがぬ日もなきは♪ シェーブルチーズ『富士山(ふじやま)』
2024年8月24日(土)
みなさま、こんにちは。
暦の上では暑さが落ち着く頃とされますが、35度を超える猛烈な暑さが続いていますね。秋の訪れはまだ先のようです。
8月後半になると、子供の頃は毎年、夏休みの宿題にかかりっきりでした。
ギリギリになってから、宿題をやりはじめた方も多いのではないでしょうか。
早く大人になって、宿題から解放されたいと願っていました。
ところが、大人になると、長い夏休みはなくなり、宿題は「仕事」に変わりました。
祝日や休日があると、「仕事」を抱えていても、なんだかほっとします。
国民の祝日として7月には「海の日」、8月には「山の日」があります。
海の日は、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」という趣旨で、1996年に祝日として制定されました。世界中で『海の日』を国民の祝日としている国は日本だけだそうです。
山の日は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨として2014年に祝日として制定されました。
金沢は、海と山に囲まれた、自然豊かな土地です。
室生犀星が作詞した学校歌に「やまべうみべに われらそだたん」とあります。
また、「山を仰がぬ日もなきは」という校歌があります。
金沢市と富山県福光町にまたがる犀川源流の山、「大門山(だいもんざん)」。
金沢の市街地から眺めると富士山に似ているので「加賀富士」と呼ばれています。
室生犀星や五木寛之の作品の中に登場し、「日本三百名山」に選定されています。
夏の晴れ間、金沢から加賀富士を仰いでみては、いかがでしょうか。
今日は富士山の形をした、日本のチーズを紹介します。
広島県三次市にある、チーズ工房「三良坂フロマージュ」の松原さんが造る、山羊乳から造られる『富士山(ふじやま)』です。
松原さんは、山で家畜を自然放牧する「山地酪農」(やまちらくのう)スタイルで、牛と山羊を育て、放牧ミルクでチーズを造っています。
春は新芽や筍、夏は青々とした牧草、秋は栗などの木の実、冬は笹など、山の恵みで育った、山羊と牛のミルクは、私たちの体にとても優しいチーズになります。
今日ご紹介するチーズは、富士山の形をした山羊のチーズに、食用の炭をまぶして熟成させています。きめ細かい食感で、さわやかな酸味と、濃厚で旨みがあり、心地よい余韻を楽しめるチーズです。
山羊乳で造られるチーズを「シェーブル」といいます。フランス語で「シェーブル」は山羊の意味です。山羊の出産サイクルでは、シェーブルは春~秋が旬です。
旬のシェーブルを楽しみながら、暑い夏を乗り切りましょう。
季節のテーマにそって、チーズを様々な形にカット・アレンジをして、器に盛り付け、テーブルコーディネートと共に味わいながら楽しむレッスンを行っています。
次回も金沢の四季の移ろいと、旬のチーズの楽しみ方を、
この番組でご紹介してまいります。
【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】
天の川を愛でながら、夏の土用は『シェーブル・ノワール』を
2024年7月20日(土)
みなさま、こんにちは。
暑い日が続きますね。
猛暑の街を抜け出して、「天の川」を見に行きませんか。
目的地は医王山(いおうぜん)です。
医王山ろくのふもと、金沢市平等本町(かなざわしだいらほんまち)の「銀河の里キゴ山」には、天体観察センターと少年自然の家があります。
小中学校の遠足や合宿で、幾度も通いました。
初めて、星座早見盤と、星の数を数えるカウンター(数取り器)を両親に買ってもらった時。
銀河鉄道スリーナインの乗車切符を手に入れたようで、心が躍りました。
市街を抜けて、医王山の方へ車で向かう道。
少しずつ暮れゆく高台からは、日本海に沈む夕日を楽しみます。
夕焼けは刻々と色や形を変え、昼間の暑さや、街の喧騒(けんそう)が、少しずつ和らいで、空が茜色に染まります。
辺りは静かなのに、空では西洋名画に描かれた、天使たちの鳴らすラッパが響き渡るようです。
やがて「一番星みいつけた」。
そしていつの間にか満天の星空。
星の間をぬって流れるように見える幾千もの星の塊。
これが銀河「Milky Way」天の川です。
街明かりが少なく、月が出ていない晩の医王山では、夏の大三角形を見つけるのも、楽しみの一つです。
東の空で最も明るい星を探してみてください。
こと座のベガです。七夕のシンボル、織姫星です。
ベガが見つかれば、後は三角形の残り2つの頂点となる明るい星を見つけるだけです。
ベガの次に区別がつきやすいのは、はくちょう座のデネブです。
最後に、わし座のアルタイルを探します。七夕のシンボルの彦星にあたります。
さて、今日は「夏の土用」に因んで、黒いチーズをお持ちしました。
※二十四節気と土用についてはこちら>>
夏の土用の丑の日には、「う」のつくものや、黒い食べ物を食べる習慣があります。
黒いチーズは、東京都青梅市のチーズ工房「フロマージュ・デュ・テロワール」のオーナー、鶴見和子さんが、山羊のミルクで造った『シェーブル・ノワール』です。
「ノワール」はフランス語で「黒」を意味します。チーズの周りに、木炭をまぶしてあります。炭は型崩れ防止と酸味を中和する役目があります。
外側は木炭による黒色で、中は山羊乳特有の真っ白な生地。カットすると、白と黒のコントラストが美しいチーズです。
鶴見和子さんはフランスのENILでチーズ製造を学び、2014年に工房を開設。日本でフランス仕込みのチーズを造る第一人者です。
山羊の泌乳期は「5月~11月」ですから、まさに今が旬のチーズ。
爽やかなシェーブル独特の香味を楽しみながら、暑い夏を健やかにお過ごしください。
季節のテーマにそって、チーズを様々な形にカット・アレンジをして、器に盛り付け、テーブルコーディネートと共に味わいながら楽しむレッスンを行っています。
また、8月18日(日)13時から14時半まで、金沢駅西口から徒歩2分のクロスゲート金沢2階にあるワインバー「vin amourヴァンナムール」にて、グラスシャンパーニュとプレミアムなフレッシュチーズを楽しむセミナーを開催します。
山羊乳で造ったフレッシュチーズ「ブルッス」は入手困難ですが、今回のセミナーでご提供することが可能となりました。ほかにも、人気で手に入りにくいチーズやチーズを用いたアミューズもご用意します。そして、ソムリエールと共に、ワインバーの嗜み方をお伝えします。
参加のお申し込みは、チーズプロフェッショナル協会のWebサイト(https://www.cheese-professional.com/article/seminarevent/detail.php?KIJI_ID=2148)
からお願いします。
次回も金沢の四季の移ろいと、旬のチーズの楽しみ方を、この番組でご紹介してまいります。
【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】
薔薇の『ミモレットMIMOLETTE』と共に「ローズムーン」に想いをはせて
2024年6月22日(土)
みなさま、こんにちは。
日が長くなりました。
昨日、2024年6月21日、1年で最も日が長くなる「夏至」が始まりました。
「夏至」は二十四節気の一つです。太陽が地球を一周する日数(一太陽年)を24等分し、それぞれの期間に季節の変化を表す名前をつけています。
「夏至」の期間は毎年6月21日頃から7月7日頃(小暑の前日)までの約15日間。朝方は4時半頃から、夕方は19時頃まで明るいですよね。
そして本日、2024年6月22日の今夜は、「ストロベリームーン」や「ローズムーン:Rose Moon(薔薇月)」と呼ばれる、満月です。
「ストロベリームーン:Strawberry Moon(苺月)」は、ネイティブ・アメリカンの部族が、月の動きを観察して、農業や漁業、狩猟の目安にするため付けた呼び名のひとつです。彼らにとって6月はイチゴの収穫シーズンでした。
ヨーロッパでは、6月の満月は「ローズムーン:Rose Moon(薔薇月)」と呼んでいます。ヨーロッパでは薔薇が美しく咲きほこり、満月がピンクに見えることがあります。
今夜の天気予報は、だんだん雲が増え、夜は雨になる見込みです。
月が雲に隠れて見えないのは残念ですが、その「月が見え無い=無月」に想いをはせるのも日本の文化です。
さて、今日は「ローズムーン」に因んで、薔薇のチーズをお持ちしました。
オレンジ色が特徴で、フランスの牛のミルクで作られるセミハードタイプの『ミモレット』をスライスして、薔薇の花にみたてました。
「半分柔らかい」という意味のフランス語「ミ・モレ」に由来し、アナトー色素をつかっているので、チーズの生地は明るいオレンジ色をしています。
チーズの全形は、上下の面がやや平たい直径約 20 cm 高さ約 15 cmの球体。表面は硬くゴツゴツしているので、外皮は取り除きます。
熟成が進んでいないミモレットは柔らかく、やさしい味わいです。熟成が進むと水分が減り、硬くなって濃厚な味わいになります。
その味はボラの卵巣から作る珍味「からすみ」に似ています。ワインはもちろん日本酒にも合うチーズとして人気があります。
季節のテーマにそって、チーズを様々な形にカット・アレンジをして、器に盛り付け、テーブルコーディネートと共に味わいながら楽しむ「旬のチーズと季節のしつらい」レッスンを行っています。
また、8月18日(日)13時から14時半まで、金沢駅西口から徒歩2分の、クロスゲート金沢2階にあるワインバー「vin amourヴァンナムール」にて、グラスシャンパーニュとプレミアムチーズを楽しむセミナーを開催します。ワインバーの嗜み方をお伝えします。
参加のお申し込みはチーズプロフェッショナル協会のWebサイト(https://www.cheese-professional.com/article/seminarevent/list.php?ALIAS=seminar)よりお願いします。
もう一つお知らせがあります。
恒例の「かなざわまち博」で屋台大学を2枠、開催します。
1つ目は8月17日(土) 12:00~14:00。
「和魂洋才のディジュネ フレンチと日本酒」と題し、
北陸の食材を取り入れるフランス料理に、能登の酒蔵復興応援の日本酒を合わせます。 日本酒の知識、石川の酒の特徴、嗜み方、器による味わい方を学びます。
ひがし茶屋街人気の町家フレンチ「東山ロベール・デュマ」で、お洒落で和心溢れるひと時をお過ごしいただきます。
2つ目は8月18日(日) 18:00~20:00。
「和魂洋才の夕べ 加賀料理とワイン」と題し、
貴重な文化財でもある「辻家庭園」 の広大なお庭の緑を愛でながら、能登の復興応援を込めて厳選した、能登産ワインと加賀料理を合わせます。
コミュニケーションツールとしてのワインの知識、風土が生み出す個性、嗜み方を学びます。
参加のお申し込みは、かなざわまち博のWebサイト(https://www.machihaku.com/)からお願いします。
次回も金沢の四季の移ろいと、旬のチーズの楽しみ方を、この番組でご紹介してまいります。
【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】