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いにしえより日本で愛されてきた茶色。秋色の『ブラウンチーズ』

みなさま、こんにちは。

 

秋晴れの美しい週末です。

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気象庁の予報では、11月に入っても気温は高い傾向です。

冬の訪れはまだ先になりそうですね。

 

兼六園の紅葉は、例年11月中頃です。

濃い緑のなかの奥深い紅葉が美しい季節を迎えます。

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さて、なぜ秋になると「紅葉」するのか、ご存じでしょうか。

気温が高い春から夏にかけて、樹々は日光をたくさん浴びます。

緑色の葉っぱは、自らの葉緑体から栄養分を作り出します。

これが理科で学んだ「光合成」です。

秋を迎え、気温が徐々に下がりはじめます。

すると、光を受けてエネルギーに変換する働きと、そのエネルギーを使って養分をつくる働きの連係プレーのバランスが崩れてきます。

樹々は葉っぱを維持するためのエネルギー量と、採算が合わなくなるため、葉っぱを落とすための準備を始めます。

この、葉っぱが役割を終える過程で、葉の色に変化が起こります。

樹木の種類によって、黄色く染まるものと赤く染まるものがありますが、いずれにしても「緑→黄」「緑→赤」と変化します。これが紅葉です。

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きれいな落ち葉を拾って、本の間にはさみ、祖母と見せ合いっこをして遊びました。

今でも本棚から「押し葉」をした懐かしい本を見つけて開くと、タイムスリップをした気持ちになります。

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「秋の色」のイメージは、黄色や赤色、そして茶色でしょうか。

茶色は大地や木の幹、動物の毛皮など古代から自然にある身近な色で、安心して身を預けることのできる支えの色といわれます。

そして落ち葉や朽ちた木々、泥など厳しい自然の力も表しています。

日本では茶色は古くから愛されてきました。

平安時代から続く、天皇が儀式で着用する赤茶色の装束「黄櫨染(こうろぜん)」。

櫨(はぜ)の木の黄色と蘇芳(すおう)の赤色、酢、灰汁(あく)などで染められ、太陽の光に当たると色が変化し、金茶色から茜色に変わり、着物の内側は太陽のように真っ赤に変化する、神々しい色です。

古くは禁色(きんじき)(日本の朝廷において、一定の地位や官位等を持つ者以外に禁じられた服装の色)とされていました。

また「朽葉色(くいばいろ)」は、はかない命や自然の摂理に美しさを感じる平安時代の貴族に愛されました。

江戸時代には、政府が派手な色を禁止したため、粋の文化として「江戸(えど)茶」「鶯(うぐいす)茶」「海老(えび)茶」など多くの茶色が庶民に広がりました。

自然を大切にする日本人にとって、茶色は美しさを感じる色だったのです。

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今日は、茶色の季節にぴったりの「ブラウンチーズ(別名:ブルノスト)」をご紹介します。

 

ノルウェー発祥のホエイ(乳清)を煮詰めて作った乳製品で、ノルウェーの国民食とも言われるほど生活に根付いた食品です。

茶色の滑らかな組織が特徴的です。

チーズというよりはキャラメルのように見えます。

味もキャラメルのようです。

ほのかな甘みと塩味、そして少々の苦みとコクがあります。

おやつや、おつまみにも気軽にいただけます。

原産国ノルウェーでは、パンやワッフルにトッピングしジャムをのせて朝食や軽食として楽しみます。コーヒーとの相性も良いのです。

ミルクに溶かしても美味しいです。

 

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〈ノルウェーのブラウンチーズ「ブルノスト」の楽しみ方〉

 

 

作り方はシンプル。大きな釜でホエイ(乳清)・生乳とクリームが合わせられ、糖分がカラメル状になるまで長時間煮詰めます。

乳糖を多く含むチーズを長時間加熱するとメイラード(Maillard)反応が起こり、褐色化します。褐色は主に薄茶色ですが、勝色(かちいろ)勝 (かち)に通ずるとも考えられています。

そうして、煮詰めたものを型詰めして冷やせば、ブラウンチーズが完成します。

時間はかかりますが、ご自宅でも材料とお鍋があれば簡単にブラウンチーズが造れます。

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〈雑誌で紹介したブラウンチーズ〉

 

 

(日本では乳から作られたものがチーズという定義になっている(日本の「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令」の定め)ため、ブラウンチーズは実際にはチーズに分類されず ”乳等を主要原料とする食品” となります)

 

今日のブラウンチーズは、友人のチーズ工房で造られたものです。

ナチュラルチーズを造ると大量のホエイが副産物として得られるのですが、"大量"がどのくらいかと言うと、生乳を100%としたときにチーズになるのはわずか10%、残りの90%はホエイです。想像しているより大量ですよね?

ホエイには多くの乳酸菌は勿論、ビタミンやミネラルなどの栄養分が残っています。ホエイは捨てるには勿体無く、再生可能な力があると考え、注目を浴びるようになっています。

友人も、大量のホエイを廃棄することなく活用することを目的にブラウンチーズを造っています。

思いやりの心が込められた、ブラウンチーズです。

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〈ナカシマファームのブラウンチーズ〉

 

 

 

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〈友人のチーズ工房で造られたブラウンチーズ〉

 

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〈MROラジオ放送にお持ちしたブラウンチーズ〉

 

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〈ハロウィンのチーズプレゼンテーション〉

 

 

季節のテーマにそって、チーズを様々な形にカット・アレンジをして、器に盛り付け、テーブルコーディネートと共に味わいながら楽しむレッスンを行っています。

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〈秋のテーブル〉

 

11月8日9日10日、「国内最大級の伝統工芸の祭典「KOUGEI EXPO IN ISHIKAWA」が、「石川県政記念しいのき迎賓館」で開催されます。メインテーマは「工芸の底力(そこぢから)・復興の翼 ~石川から未来につなぐ、日本の美技(びぎ)~」です。私は工芸を用いたテーブルコーディネートを展示します。ワークショップや展示販売もございます。ぜひお出かけください。

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また、来年、2025年2月11日(建国記念の日)に、フランスチーズシュヴァリエの米田シェフによる「チーズフィンガーフード教室」を開催予定です。

チーズ業界のパイオニア、本間るみ子先生がゲストとして金沢にいらっしゃいます。本間先生を迎え、「ぶどうの森 タパス エ バール」の美味しいワインとチーズを用いたフィンガーフードを楽しみながら、一緒に学びましょう。

ぜひ、スケジュール帳にメモしていただけると幸いです。

お申し込みは、後日チーズプロフェッショナル協会のWebサイトに掲載予定です。

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次回も金沢の四季の移ろいと、旬のチーズの楽しみ方を、この番組でご紹介してまいります。

 

 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 

 

 

芋・栗・南瓜、ホクホクした秋の味覚と共に『コンテ Comté』

みなさま、こんにちは。

 

もうすぐ10月ですね。

高くなっていく空や、爽やかに吹き抜ける風に、ようやく秋の気配を感じています。

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さて、秋といえば…「実りの秋」!

秋は食べ物がおいしい季節です。

みなさんのお気に入りの「秋の味覚」は何でしょうか。

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あるアンケート調査によると、1位がさつまいも。2位が栗。3位さんま。4位梨。5位かぼちゃ。6位新米。7位ぶどう。8位柿。9位鮭。10位きのこ。でした。

 

小学生のころ、芋掘り遠足に行った思い出があります。

縦割り班活動と言って、6年生が1年生の手をつなぎ、5年生は3年生、
4年生は2年生と手をつないで、さつま芋畑へ収穫に向かいました。

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はじめて芋堀りをした1年生の時。
帰り道は6年生のお姉さんに手をひいてもらい、ウトウト居眠りしながら歩いていました。
「この子眠りながら歩いているよ」と、だれかが声をあげました。

驚いて目が覚め、恥ずかしかったことを覚えています。

袋いっぱいに収穫したさつま芋。

誇らしげに持ち帰ると、祖母がふかし芋や煮物にしてくれました。

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栗拾いにも行きました。

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持ち帰ると、祖母があっという間に、栗ご飯にしてくれました。

大人になり、いざ栗ご飯を作ってみようとすると、渋皮を剥くのが大変なことがわかりました。

かといって瓶詰めや剥き栗を買ってきても、すぐ形が砕けてしまいます。

栗は鮮度が命!剥きたて・ゆでたての味は格別だということが身にしみました。

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かぼちゃも同様。祖母はあっという間にかぼちゃの皮を剥いて、煮てくれました。

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祖母は魔法使いのようでした。

祖母のつくってくれたホクホクしたさつま芋や、栗ご飯、味のしみたかぼちゃの煮物。その味が恋しいです。

 

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さて、今日はナッツのような香りと栗のようなほくほくした美味しさで知られている、牛乳製のハードタイプチーズ「コンテ(Comte)」をご紹介します。

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フランス3大「山のチーズ※1」の一つです。

フランス東部スイスに隣接するフランシュ・コンテ地方、厳しい冬を乗り越えるために長期保存を目的として作られる、重さ32~45kg(小学生の体重くらい)もある大型のチーズです。

自然豊かなこの地方の牧草を食べた乳牛から摂れるミルクはとてもまろやかで、それがチーズの風味に生かされ、素晴らしいアロマとなります。直径60cm程の巨大チーズ1個あたりに、なんと500Lものミルクを使用。まろやかなミルクがギュッと凝縮されているからこそ出せる芳醇な味わいが、高い支持を得ている理由のひとつ。

フランスではAOC(原産地呼称統制法)認定チーズの中で最も生産量が多く、広く親しまれているチーズです。

硬質で重量感があり、水分が少ないので旨味が詰まっています。

カットや食べ合わせによって、多様な味わいが楽しめます。

  • おやつやおつまみとしてそのまま。
  • スライスしてパンにのせて。
  • サンドイッチの具材に。
  • グラタン、スープ、フォンデュなど料理の材料として。みそ汁に入れても。
  • ワインや日本酒のお供に。抹茶のお茶請けに。
  • 黒コショウやパプリカなどのスパイスと共に。
  • 味噌漬け、天ぷら、おにぎりの具材として。
  • 羊羹や小豆餡、八つ橋などの和菓子と合わせて。どら焼きに挟み込むのも美味しい。
  • 抹茶アイスに細かく刻んだコンテチーズをトッピング。

 

1958年にはAOP(原産地呼称保護)を取得しています。

※1:フランスのサヴァオ地方で作られるアボンダンスAbondance・ボーフォールBeaufort・コンテComteの3種類のハードチーズのこと。三大山のチーズA・B・Cと覚える。

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季節のテーマにそって、チーズを様々な形にカット・アレンジをして、器に盛り付け、テーブルコーディネートと共に味わいながら楽しむレッスンを行っています。

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また、2月11日(火・祝)に、フランスチーズシュヴァリエの米田シェフによる「チーズフィンガーフード教室」を開催予定です。

チーズ業界のパイオニア、本間るみ子先生がゲストとして金沢にいらっしゃいます。本間先生を迎え、「ぶどうの森 タパス エ バール」の美味しいワインとチーズを用いたフィンガーフードを楽しみながら、一緒に学びましょう。

ぜひ、スケジュール帳にメモしていただけると幸いです。

2024928102235.jpeg(写真はイメージです)

お申し込みは、後日チーズプロフェッショナル協会のWebサイトに掲載予定です。

 

次回も金沢の四季の移ろいと、旬のチーズの楽しみ方を、

この番組でご紹介してまいります。

 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 

山をあふがぬ日もなきは♪ シェーブルチーズ『富士山(ふじやま)』

2024年8月23日(土)

みなさま、こんにちは。

 

暦の上では暑さが落ち着く頃とされますが、35度を超える猛烈な暑さが続いていますね。秋の訪れはまだ先のようです。

 

8月後半になると、子供の頃は毎年、夏休みの宿題にかかりっきりでした。

ギリギリになってから、宿題をやりはじめた方も多いのではないでしょうか。

早く大人になって、宿題から解放されたいと願っていました。

 

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ところが、大人になると、長い夏休みはなくなり、宿題は「仕事」に変わりました。

祝日や休日があると、「仕事」を抱えていても、なんだかほっとします。

 

国民の祝日として7月には「海の日」、8月には「山の日」があります。

 

海の日は、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」という趣旨で、1996年に祝日として制定されました。世界中で『海の日』を国民の祝日としている国は日本だけだそうです。

 

山の日は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨として2014年に祝日として制定されました。

 

2024824102720.JPEG夏のしつらい

 

金沢は、海と山に囲まれた、自然豊かな土地です。

室生犀星が作詞した学校歌に「やまべうみべに われらそだたん」とあります。

また、「山を仰がぬ日もなきは」という校歌があります。

 

金沢市と富山県福光町にまたがる犀川源流の山、「大門山(だいもんざん)」。

金沢の市街地から眺めると富士山に似ているので「加賀富士」と呼ばれています。

室生犀星や五木寛之の作品の中に登場し、「日本三百名山」に選定されています。

夏の晴れ間、金沢から加賀富士を仰いでみては、いかがでしょうか。

 

今日は富士山の形をした、日本のチーズを紹介します。

広島県三次市にある、チーズ工房「三良坂フロマージュ」の松原さんが造る、山羊乳から造られる『富士山(ふじやま)』です。

 

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松原さんは、山で家畜を自然放牧する「山地酪農」(やまちらくのう)スタイルで、牛と山羊を育て、放牧ミルクでチーズを造っています。

春は新芽や筍、夏は青々とした牧草、秋は栗などの木の実、冬は笹など、山の恵みで育った、山羊と牛のミルクは、私たちの体にとても優しいチーズになります。

 

今日ご紹介するチーズは、富士山の形をした山羊のチーズに、食用の炭をまぶして熟成させています。きめ細かい食感で、さわやかな酸味と、濃厚で旨みがあり、心地よい余韻を楽しめるチーズです。

山羊乳で造られるチーズを「シェーブル」といいます。フランス語で「シェーブル」は山羊の意味です。山羊の出産サイクルでは、シェーブルは春~秋が旬です。

旬のシェーブルを楽しみながら、暑い夏を乗り切りましょう。

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季節のテーマにそって、チーズを様々な形にカット・アレンジをして、器に盛り付け、テーブルコーディネートと共に味わいながら楽しむレッスンを行っています。

 

次回も金沢の四季の移ろいと、旬のチーズの楽しみ方を、

この番組でご紹介してまいります。

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【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 

天の川を愛でながら、夏の土用は『シェーブル・ノワール』を

2024年7月20日(土)

みなさま、こんにちは。

 

暑い日が続きますね。

猛暑の街を抜け出して、「天の川」を見に行きませんか。

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目的地は医王山(いおうぜん)です。

医王山ろくのふもと、金沢市平等本町(かなざわしだいらほんまち)の「銀河の里キゴ山」には、天体観察センターと少年自然の家があります。

小中学校の遠足や合宿で、幾度も通いました。

初めて、星座早見盤と、星の数を数えるカウンター(数取り器)を両親に買ってもらった時。

銀河鉄道スリーナインの乗車切符を手に入れたようで、心が躍りました。

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市街を抜けて、医王山の方へ車で向かう道。

少しずつ暮れゆく高台からは、日本海に沈む夕日を楽しみます。

夕焼けは刻々と色や形を変え、昼間の暑さや、街の喧騒(けんそう)が、少しずつ和らいで、空が茜色に染まります。

辺りは静かなのに、空では西洋名画に描かれた、天使たちの鳴らすラッパが響き渡るようです。

やがて「一番星みいつけた」。

そしていつの間にか満天の星空。

星の間をぬって流れるように見える幾千もの星の塊。

これが銀河「Milky Way」天の川です。

街明かりが少なく、月が出ていない晩の医王山では、夏の大三角形を見つけるのも、楽しみの一つです。

東の空で最も明るい星を探してみてください。

こと座のベガです。七夕のシンボル、織姫星です。

ベガが見つかれば、後は三角形の残り2つの頂点となる明るい星を見つけるだけです。

ベガの次に区別がつきやすいのは、はくちょう座のデネブです。

最後に、わし座のアルタイルを探します。七夕のシンボルの彦星にあたります。

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さて、今日は「夏の土用」に因んで、黒いチーズをお持ちしました。

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※二十四節気と土用についてはこちら>>

 

夏の土用の丑の日には、「う」のつくものや、黒い食べ物を食べる習慣があります。

黒いチーズは、東京都青梅市のチーズ工房「フロマージュ・デュ・テロワール」のオーナー、鶴見和子さんが、山羊のミルクで造った『シェーブル・ノワール』です。

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「ノワール」はフランス語で「黒」を意味します。チーズの周りに、木炭をまぶしてあります。炭は型崩れ防止と酸味を中和する役目があります。

外側は木炭による黒色で、中は山羊乳特有の真っ白な生地。カットすると、白と黒のコントラストが美しいチーズです。

鶴見和子さんはフランスのENILでチーズ製造を学び、2014年に工房を開設。日本でフランス仕込みのチーズを造る第一人者です。

山羊の泌乳期は「5月~11月」ですから、まさに今が旬のチーズ。

爽やかなシェーブル独特の香味を楽しみながら、暑い夏を健やかにお過ごしください。

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季節のテーマにそって、チーズを様々な形にカット・アレンジをして、器に盛り付け、テーブルコーディネートと共に味わいながら楽しむレッスンを行っています。

 

また、8月18日(日)13時から14時半まで、金沢駅西口から徒歩2分のクロスゲート金沢2階にあるワインバー「vin amourヴァンナムール」にて、グラスシャンパーニュとプレミアムなフレッシュチーズを楽しむセミナーを開催します。

山羊乳で造ったフレッシュチーズ「ブルッス」は入手困難ですが、今回のセミナーでご提供することが可能となりました。ほかにも、人気で手に入りにくいチーズやチーズを用いたアミューズもご用意します。そして、ソムリエールと共に、ワインバーの嗜み方をお伝えします。

 

参加のお申し込みは、チーズプロフェッショナル協会のWebサイト(https://www.cheese-professional.com/article/seminarevent/detail.php?KIJI_ID=2148

からお願いします。

 

次回も金沢の四季の移ろいと、旬のチーズの楽しみ方を、この番組でご紹介してまいります。

 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 

薔薇の『ミモレットMIMOLETTE』と共に「ローズムーン」に想いをはせて

2024年6月22日(土)

みなさま、こんにちは。

 

日が長くなりました。

昨日、2024年6月21日、1年で最も日が長くなる「夏至(げし)」が始まりました。

「夏至」は二十四(にじゅうし)節気(せっき)の一つです。太陽が地球を一周する日数(一太陽年)を24等分し、それぞれの期間に季節の変化を表す名前をつけています。

「夏至」の期間は毎年6月21日頃から7月7日頃(小暑の前日)までの約15日間。朝方は4時半頃から、夕方は19時頃まで明るいですよね。

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そして本日、2024年6月22日の今夜は、「ストロベリームーン」や「ローズムーン:Rose Moon(薔薇月)」と呼ばれる、満月です。

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「ストロベリームーン:Strawberry Moon(苺月)」は、ネイティブ・アメリカンの部族が、月の動きを観察して、農業や漁業、狩猟の目安にするため付けた呼び名のひとつです。彼らにとって6月はイチゴの収穫シーズンでした。

ヨーロッパでは、6月の満月は「ローズムーン:Rose Moon(薔薇月)」と呼んでいます。ヨーロッパでは薔薇が美しく咲きほこり、満月がピンクに見えることがあります。

今夜の天気予報は、だんだん雲が増え、夜は雨になる見込みです。

月が雲に隠れて見えないのは残念ですが、その「月が見え無い=無月(むげつ)」に想いをはせるのも日本の文化です。

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6/21のお月さま

 

 

さて、今日は「ローズムーン」に因んで、薔薇のチーズをお持ちしました。

オレンジ色が特徴で、フランスの牛のミルクで作られるセミハードタイプの『ミモレット』をスライスして、薔薇の花にみたてました。

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「半分柔らかい」という意味のフランス語「ミ・モレ」に由来し、アナトー色素をつかっているので、チーズの生地は明るいオレンジ色をしています。

チーズの全形は、上下の面がやや平たい直径約 20 cm 高さ約 15 cmの球体。表面は硬くゴツゴツしているので、外皮は取り除きます。

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熟成が進んでいないミモレットは柔らかく、やさしい味わいです。熟成が進むと水分が減り、硬くなって濃厚な味わいになります。

その味はボラの卵巣から作る珍味「からすみ」に似ています。ワインはもちろん日本酒にも合うチーズとして人気があります。

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季節のテーマにそって、チーズを様々な形にカット・アレンジをして、器に盛り付け、テーブルコーディネートと共に味わいながら楽しむ「旬のチーズと季節のしつらい」レッスンを行っています。

 

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また、8月18日(日)13時から14時半まで、金沢駅西口から徒歩2分の、クロスゲート金沢2階にあるワインバー「vin amourヴァンナムール」にて、グラスシャンパーニュとプレミアムチーズを楽しむセミナーを開催します。ワインバーの嗜み方をお伝えします。

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参加のお申し込みはチーズプロフェッショナル協会のWebサイト(https://www.cheese-professional.com/article/seminarevent/list.php?ALIAS=seminar)よりお願いします。

 

もう一つお知らせがあります。

恒例の「かなざわまち博」で屋台大学を2枠、開催します。

1つ目は8月17日(土)  12:00~14:00

「和魂洋才のディジュネ フレンチと日本酒」と題し、

北陸の食材を取り入れるフランス料理に、能登の酒蔵復興応援の日本酒を合わせます。 日本酒の知識、石川の酒の特徴、嗜み方、器による味わい方を学びます。

ひがし茶屋街人気の町家フレンチ「東山ロベール・デュマ」で、お洒落で和心溢れるひと時をお過ごしいただきます。

 

2つ目は8月18日(日)  18:00~20:00

「和魂洋才の夕べ 加賀料理とワイン」と題し、

貴重な文化財でもある「辻家庭園」 の広大なお庭の緑を愛でながら、能登の復興応援を込めて厳選した、能登産ワインと加賀料理を合わせます。

コミュニケーションツールとしてのワインの知識、風土が生み出す個性、嗜み方を学びます。

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参加のお申し込みは、かなざわまち博のWebサイト(https://www.machihaku.com/)からお願いします。

 

次回も金沢の四季の移ろいと、旬のチーズの楽しみ方を、この番組でご紹介してまいります。

 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 

月のように丸い修道院のチーズ『アベイ ド タミエ ABBAYE DE TAMIE』

2024年5月25日(土)

みなさま、こんにちは。
 
初夏の陽の光に緑が輝き、花々が美しい季節になりました。
 
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さまざまな花が咲き乱れる5月の満月は「Flower Moon(フラワームーン)」と呼ばれます。
一昨日はお天気が良く、23時頃には、まん丸の輝くお月様を仰ぐことができました。
 
月の満ち欠けの周期は約29.5日ですから、次の満月は6月22日の22時頃です。
6月は「ストロベリームーン」や「ローズムーン:Rose Moon(薔薇月)」などの名前がついています。
 
この名前は、アメリカの先住民が、農業や漁業、狩猟の目安として季節を把握するために、各月に見られる満月に名前をつけたことが始まりです。そして、その満月を含む1か月の呼称としても用いられています。
 
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5月14日から5月26日まで開催している「第七回 季にあひたる 和のしつらい洋のしつらい」作品展の会場、石川国際交流サロンでは、生命力に満ち溢れ、活き活きとした輝きを放つ草花がご来場の皆さまをお迎えしています。
 
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2週間の作品展も、今日と明日の2日間となりました。
 
テーマの「光る」から、光を放つガラスや艶のある漆器を中心に、食卓に石川の工芸をとりいれた「しつらい=テーブルコーディネート」の作品を8つ展示しています。
 
日本の平安時代(西暦794年 – 1185年)、宮中女性の装束に見られる「かさねの色」をテーブルクロスやティータイムのランチョンマットに表現しています。
 
夏の「水色のかさね」
光源氏が愛した3人の女性「桐壺のかさね」「藤壺のかさね」「若紫のかさね」
をお楽しみいただけます。
 
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風と光に揺れる「藤の花」のフラワーアレンジメントは、平和と高潔を表しています。
 
藤の花が風に揺れている様子を「藤波(ふじなみ)」と表現します。一陣の風に吹かれたひと房が、波のように次から次へと揺れていく様子を思い浮かべながら、お庭や、床の間の掛軸(かけじく)と調和した、しつらいをしています。
 
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入場無料です。ぜひ、お立ち寄りいただけましたら幸いです。
 
 
 
さて、本日ご紹介するチーズは、お月様のようにまん丸の形をした、修道院のチーズ『アベイ ド タミエ ABBAYE DE TAMIE』です。
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フランスの東端、スイス・イタリアと国境を接するサヴォワ地方産のウォッシュタイプのチーズです。サヴォワ地方は、古くからチーズの名産地として知られています。標高900メートルのボージュ山塊にひっそり佇むのは1132年より続くタミエ修道院。今もなお、修道士達が人々の幸せや世界平和を祈り、手仕事をしています。その一つがチーズです。
 
ウォッシュタイプのチーズは、表面を洗って熟成させているので、外皮から穏やかな風味を感じます。教会の回廊のように神聖な雰囲気のカーヴにあるエピセアの木板の上で熟成された中身は、なめらかでモチモチしており、ほのかにナッツの風味が感じられます。
ヨーロッパを旅した際、朝食ブッフェに、このチーズが丸ごと提供されていました。
 
涼を感じたいこの季節。水出しの加賀棒茶や、冷酒と合わせて楽しめます。お料理にも使える万能チーズです。
 
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月はグリーンチーズでできている(英: The Moon is made of green cheese)」という欧米のことわざや、月の反射を見て「丸いチーズと間違えた」という物語があります。
 
お月様のひとかけをシェアしているような気持ちで、丸いチーズをカットし、家族や友人でシェアしましょう。満ち欠けを繰り返すお月様のパワーに願いを込めて。穏やかで健やかな世の中を祈ります。
 
 
 
美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。
 
【音声ファイル】2024年5月放送.mp3
 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 

夏も近づく八十八夜♪ 季節を知らせる『おめざめタイム』チーズ

2024年4月27日(土)

みなさま、こんにちは。

 

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風薫る季節になりました。

新年度や新学期という新しいスタートの時期から、少し経過したところです。

自然界の虫たちにとっては、初夏の日差しを浴びて目を覚まし、活発に活動を始める頃です。

 

ゴールデンウィークと呼ばれる連休には、家族や友人と自然豊かな場所へ旅行したり、アウトドア活動をしたり、心身ともにリフレッシュする季節です。

四季の変化に恵まれた日本では、自然への感謝や祈りを伝える行事がたくさんあります。

その節目ごとに、季節の変化や自然との関わりを感じる機会となります。

 

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夏も近づく八十八夜♪」という茶摘み歌をご存じですか?

八十八夜は日本独自の季節を知らせる節目「雑節(ざっせつ)」のひとつです。

八十八夜の数え方は、春がスタートする立春(節分の翌日、2024年は2月4日(日))から数えて、「八十八の夜」が過ぎた88日目の日のことです。

2024年は5月1日(水)です。

この時期から、田畑に霜が降りる心配がなくなると言われ、農家では、茶摘みや稲の種まきを始める目安の日としています。

また、「八十八」の文字を組み合わせると「米」という漢字になることや、末広がりの八が重なることから、農作業を始めるのに縁起のよい日ともいわれます。

 

八十八夜に摘み取られたお茶は「初物」として市場に出回ります。

今年初めて収穫された野菜や新茶は、生気(いき)(あふ)れているため、食べることで長生きできると考えられました。

初摘みのお茶のコクのある味は「日本人に生まれてよかったなぁ」と思わせてくれます。

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旬のチーズや季節限定のチーズを選ぶ時、大切な方の健やかな毎日を願う気持ちで選んでいます。

春のおめざめタイム』チーズは、その一つです。

 

北海道虻田郡(あぶたぐん)喜茂別町(きもべつちょう)にある、チーズ工房タカラのオーナーでありチーズ職人の斉藤愛三(なるみつ)さんが作る、春限定のチーズです。

美しい羊蹄山のふもとで放牧酪農を営む牧場タカラ。お兄さんの信一さんが牧場の飼養管理と土づくり、牛乳製造を担っています。

牧場名の「タカラ」は、アイヌ語の「夢を育む」という意味があります。先住民であるアイヌ人同様、この土地に住まわせてもらうという謙虚な姿勢を屋号に込めようとアイヌ語から引用されました。

工房の駐車場横には「幸せな牛のミルク」という大きな看板があります。

日々、生かされていることに感謝する気持ちがこめられたミルクから作られた、フレッシュチーズです。

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細長い円筒形。やや酸味のあるホロリとした白い生地に、タイム、ローズマリー、コリアンダーシードをまぶしてあり、爽やかな味わいが楽しめます。

ハーブの香りにあわせて、キリリと冷やしたソーヴィニョンブランの白ワインや、緑茶、ハーブティーとの相性もおすすめです。

 

5月は、緑に囲まれた新しい季節へのめざめを告げる貴重な月です。ぜひ、ご自身の「おめざ」と共に、健やかなひと時を過ごしてください。

 

5月14日から2週間、石川国際交流サロンにて「第七回 季(とき)にあひたる 和のしつらい洋のしつらい 作品展」を開催します。入場無料、月曜日は休館です。「光」をテーマに、輝く未来をしつらいます。

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月末に旬のチーズと季節のしつらいを学ぶレッスンをしています。

美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。

 

 

 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 

イースターには、優しい心のチーズ『プティ・クール・ヌーPETIT COEUR NU』を♡

2024年3月23日(土)

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みなさま、こんにちは。

 

3月も後半というのに、まだまだ花冷えの日が続きます。

金沢の開花予想は今のところ3月30日。満開は4月5日頃とのことです。

卒業式や入学式、歓送迎会やお花見。華やかな行事が続きます。

 

春の行事の一つが「イースター(復活祭)」です。

十字架にかけられ処刑されたイエス・キリストが、その3日後に予言通り復活した奇跡を祝うお祭りです。

キリストの誕生を祝うクリスマスと同じく、欧米では重要な行事です。

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イースターはクリスマスやハロウィンとは異なり、毎年日付が変わる移動祝祭日です。

キリストが復活したのが日曜日だったことにちなみ、イースターは

「春分の日の後にくる、最初の満月の日の、次に来る日曜日」とされています。

少々ややこしく聞こえますね。

そのためイースターは毎年、日にちが変わるのです。

一番早いイースターは3月22日、一番遅くて4月25日と大きな幅があります。

 

皆さん、今年のイースターはいつかご存じでしょうか?

2024年のイースターは3月31日です。

 

実はヨーロッパの人々も、イースターがいつなのか、毎年カレンダーやネットで調べています。

 

キリスト教徒が多い欧米の国では、「イースター休暇」として、イースターの当日を挟んで連休とするところが多くあります。イースター前の金曜日を「グッドフライデー」、翌日の月曜日を「イースターマンデー」と呼び、学校や仕事もお休みになることも多いです。

 

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日本では、春と秋のお彼岸を「国民の祝日」と定めています。

 

欧米では、イースターが近づいてくると、街のウィンドウは、卵や兎をモチーフとしたチョコレートや飾り付けで彩られ、「春が近い!」と感じ、嬉しくなります。

当日には教会のミサに参加し、家族や友人と食事を楽しみます。

 

復活祭を英語で表した「Easter(イースター)」は、春の女神「Eoster(エオストレ)」に由来するといわれており、春の祭りとイエス・キリストの復活のイメージが結びついたと考えられています。

ちなみに、春の女神は太陽とともにやってくるため、太陽が昇る東を「East(イースト)」と呼ぶようになりました。

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春になり冬眠していた動物たちが活動し始め、枯れていた植物が蘇ってくることを祝う、春待ちのお祭りでもあるのです。

 

イースターのモチーフ「卵」からは新しい命が生まれてくるので、命や復活のシンボル。

そして、「兎(うさぎ)」は、子供を多く産むことから、繁栄のシンボルとされています。

また、兎が繁殖を始める時には、食物である草が茂りはじめるため、春の躍動感をイメージします。

 

日本でも、兎は多産であることから繁栄の象徴とされ、古くから、縁起の良い動物として扱われてきました。

威勢よく波を飛び回る兎の姿、「波に兎」など、絵画や工芸に取り上げられ、現在でも人気の高いモチーフです。

波と水がつながり、火除(ひよけ)の守りと云われることもあります。

「波に兎」は、器の文様や神社の石像など、いろんな場面で使われています。

 

私の祖母も「波乗り兎」を墨絵でよく描いていました。

波に乗って進む兎に、良いことがたくさん起きますようにとの、優しい心が込められています。

 

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この季節におすすめの、優しい心のチーズをご紹介します。

 

白い兎を思い浮かべる、ふわふわの白カビに覆われ、1つ25gと小ぶりで、ハートの形をした『プティ・クール・ヌー』です。

「クール(cœur)」はフランス語で「心」。

牛のミルクでつくられ、おだやかでクセのない、マイルドな味わいです。

春の時期にフランスのオート・ノルマンディから届きます。

ハートを4つ並べれば、幸運を呼ぶクローバー型になります。

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同じノルマンディ地方のチーズにクール・ド・ヌーシャテルというハート型のものがあるのですが、こちらのハートは大きくて、重さにして最低200g程度。かなり塩味もあります。

それに比べると、プティ・クール・ヌーは約1/10の重量の25gなので食べきりサイズ。

くせがなく食べやすい味わいで、チーズ初心者の方にも美味しく召し上がっていただけます。

 

メープルシロップやジャムと合わせたり、ドライフルーツを添えたりして、香り高い紅茶と共に楽しむのもおすすめです。チーズとお紅茶はとっても相性が良いのです。

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4月14日に「能登地方応援セミナー」として、「能登の紅茶とチーズでアフタヌーンティ」を開催します。

藩政時代よりお茶文化が盛んな石川県。世界農業遺産認定「能登の里山里海」の能登島の地で栽培された茶葉を使った、甘い香りと清々しい後味が特徴の和紅茶と、能登の食材を用いたチーズフーズを楽しみながら、コミュニケーションツールとしてのアフタヌーンティを学びます。オンライン参加の皆さまには、アフタヌーンティのお話、チーズフーズのレシピ紹介と能登の和紅茶についての物語をお伝えいたします。能登の和紅茶と食材と共に能登支援に繋げて参りましょう。           

セミナー参加費の一部は義援金とさせていただきます。

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また、5月14日から2週間、石川国際交流サロンにて「第七回 季(とき)にあひたる 和のしつらい洋のしつらい 作品展」を開催します。

入場無料、月曜日は休館です。

「光」をテーマに、力強く明日を築く、輝く未来を表現します。

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月末に旬のチーズと季節のしつらいを学ぶレッスンをしています。

美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。

 

金沢の四季の移ろいと、旬のチーズの楽しみ方を、この番組で続けてご紹介してまいります。

 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

幸せな春の兆しのチーズ『タカラのフュメ』を味わって

2024年2月24日(土)

みなさま こんにちは
 
まだまだコートが必要な寒い日が続きます。しかし梅はつぼみがふくらみ、昼間の時間がすこしずつ長くなってまいりました。もうすぐ春ですね。
 
春は「」、「」、「気温」の三段階で近づいてきます。
 
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「光の春」は、冬の寒さが厳しいロシアから伝わった言葉です。「光の春=весна света(ベスナー・スベータ)」。
 
極寒の冬を越し、徐々に日が長くなり、日差しが明るくなる様子を、
「春の気配を感じる=光の春」と表現しています。
また、春の光に反応し、動物は冬眠から目を覚まし、植物の花芽が成長を始めます。動植物の様子の変化からも、春の訪れを感じることができます。
 
「光の春」の次は「音の春」がやってまいります。
 
北日本など雪の多い地域では、気温が和らぎはじめると、雪解けが進みます。すると雪崩の音や、雪解け水が流れる川のせせらぎが聞こえてきます。
また、東日本や西日本では、ヒバリやウグイスの初鳴きが聞こえてきます。
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ウグイスは、繁殖期を迎える春になると「ホーホケキョ」と、美しい鳴き声に変わります。
 
そして、いよいよ「気温の春」がやってきます。
 
3月下旬、春分の頃には桜の蕾(つぼみ)がほころびます。
西日本や東日本から始まる桜前線は、気温の上昇とともに、北上します。
暖かい日が増えていくと、桜に続き、ツツジや藤の花が咲き始めます。
しばらくは寒さが続きますが、この先、光や音、そして気温の変化から、春の訪れを感じられると思うと、力がみなぎってきませんか。
 
さらに、今年は「うるう年」です。

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うるう年は、太陽の動きと暦のずれを調整するために、つまり、カレンダーと季節がずれないように「2月29日」があり、1年が366日になります。
4年に1度「おまけの1日がある年」と思うと、なんだか得をした気がしませんか。
英語でうるう年は「Leap Year」と言い「跳躍」を意味します。
 
そんな、「兆し」を感じる季節に、おすすめのチーズをご紹介します。
今日ご紹介するのは、北海道のチーズ『タカラのフュメ』です。
 

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モッツァレラチーズと同じように、チーズカードを熱湯で練り整形し、紐で吊り下げて乾燥・熟成させ、ヒョウタンのような形に仕上げたチーズを、燻製をしています。
「フュメ」は燻したスモークタイプを意味します。
そのまま口に含むとやわらかな燻製の香りが広がり、後からミルクの甘味や旨味が溢れてきて何とも言えない豊かな味わいです。
 
チーズ工房タカラ」の斉藤愛三(なるみつ)さんが「幸せの牛のミルク」と呼ばれる最高の牛乳を原料につくったチーズです。
斎藤さんは酪農一家で、愛三さんのご両親と兄夫婦が牛の世話のほか、酪農の基本である土づくりや草づくりを担っています。
厳冬期の夜間以外、できる限り外での放牧にこだわっています。
牛1頭に対して1ヘクタールの土地の広さがあり、ストレスフリーな環境で育った健康な母牛から搾られるミルクは、とても風味豊かなのです。
 
香りや味わいで、幸せな春の兆しを楽しんでいただきたいと願います。
 
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スモークチーズはイチゴやブドウと相性が良いのです!
 
 
4月14日に「能登地方応援セミナー」として、「能登の紅茶とチーズでアフタヌーンティ」を開催します。
藩政時代よりお茶文化が盛んな石川県。世界農業遺産認定「能登の里山里海」の能登島の地で栽培された茶葉を使った、甘い香りと清々しい後味が特徴の和紅茶と、能登の食材を用いたチーズフーズを楽しみながら、コミュニケーションツールとしてのアフタヌーンティを学びます。オンライン参加の皆さまには、アフタヌーンティのお話、チーズフーズのレシピ紹介と能登の和紅茶についての物語をお伝えいたします。能登の和紅茶と食材と共に能登支援に繋げて参りましょう。
セミナー参加費の一部は義援金とさせていただきます。
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詳細・申し込みはこちらから>>
 
また、5月14日から2週間、石川国際交流サロンにて「第七回 季(とき)にあひたる 和のしつらい洋のしつらい 作品展」を開催します。
入場無料、月曜日は休館です。
「光」をテーマに、力強く明日を築く、輝く未来を表現します。
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月末に旬のチーズと季節のしつらいを学ぶレッスンをしています。
美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。
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お問い合わせはこちらまで、よろしくお願いいたします。
 
 
 

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立春の能登半島へ、エールを込めて『能登味噌チーズ』

2024年1月27日(土)

みなさま こんにちは
2024年 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 
 
このたびの能登半島地震により被災された皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。
 
能登上布、輪島塗などの工芸、酒蔵、味噌・醤油蔵、そして和菓子や酪農業など、長きにわたり受け継がれてきたものづくり。
 
そして和倉温泉など歴史ある温泉地、ワイナリーや美しい観光地がある魅力的な能登半島。
 
一日も早い復興を願い、支援イベントやセミナー開催を通じ、応援させていただく所存です。
 
皆さまの安全を、心よりお祈り申し上げます。
 
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1月はあっという間でした。
 
まだまだ寒い日が続きますが、来る2月4日(日)は立春です。
 
「春が立つ=春の兆しが見え始める時期」という意味で、暦の上で春が始まります。
 
立春、立夏、立秋、立冬の前日を「季節を分ける=季節が移る節日(せつじつ)」であることから、「節分」とし、年に4回あります。
 
日本の国は農耕社会です。命が芽吹く春の始まりが、最も大切にされます。
 
よって、節分といえば春の節分を指すようになり、江戸時代後期には、春の節分が主流となりました。
 
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平安時代、節分の頃は邪鬼が現れやすいと考え、宮中では鬼を追い払う「追儺(ついな)」の行事がありました。
 
これが後に民間にも広がり、現在の節分の風習となりました。また、「節分違(せちぶんたがえ)」といって、その日は、方位の神さまが移動するため、外出の方角が悪い場合は、前夜によその方角に行って泊まり、そこから改めて目的の場所へ行くことで、縁起の悪い方角を避けました。
 
今では豆まきの日になっている春の節分ですが、平安時代には貴族大移動の日だったのかもしれません。
 
「方違(かたたがえ)」では、よその家に泊まるわけですから、予期せぬ出逢いも生まれます。
 
『源氏物語』を彩る華やかな恋愛遍歴の始まりの章、光源氏と空蝉との出会いも、方違(かたたがえ)が関わっています(源氏物語3帖「空蝉」)。
 
大河ドラマ第63作目は、平安中期、のちに世界最古の女性文学といわれる『源氏物語』を生み出した紫式部の人生の物語『光る君へ』ですね。
 
この『源氏物語』は光源氏の生涯と当時の社会を描いた長大な物語ですが、全54帖にわたり災害のエピソードは、主に4つしかでてきません。
 
具体的には
第10帖「賢木(さかき)」の巻、
第12帖「須磨(すわ)」の巻、
第28帖「野分(のわき)」の巻、
第46帖「椎本(しいがもと)」の巻
です。
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第12帖「須磨」の巻は、光源氏が朧月夜(おぼろづきよ)との密会がばれ、都を追われてたどりついた須磨での日々を描いています。
 
わびしい住まいで寂しい謹慎生活を送る光源氏でしたが、ある日、須磨一帯を暴風雨が襲います。
 
この暴風雨は何日も続き、高潮が発生し、波が御座所(ござしょ)近くまで打ち寄せ、光源氏は恐怖におののきます。
 
この「須磨」の巻には地震の記憶が隠されているという説があります。
 
光源氏の屋敷は須磨の山手にありましたが、その高台まで高波がやってきています。たくさんの人々が高波にさらわれたという描写もあります。
 
これは津波を示唆しているのではないかと考えられています。
 
また、このとき光源氏は須磨の海がいちめん光に満ちるのを目撃しています。
 
地震前には発光現象が起こるといわれています。
 
つまり、光源氏が目撃したこの不可思議な現象は、この地震発光なのではないかと考えられるのです。
 
歴史文献によると須磨では1596年に大地震があり、津波に襲われたことがわかっています。
 
はるか古代から、日本は自然災害に立ち向かってきているのですね。
 
 
 
 
今日ご紹介するチーズは『能登味噌チーズ』です。
 
武蔵が辻のエムザ地下一階にあるチーズ工房「ミモレット」さんのオリジナルチーズです。
 
スイスの「チーズの王様」と言われるエメンタールチーズを、奥能登珠洲市にある遠藤味噌店の手作り味噌に漬け込んでいます。
 
この味噌は、珠洲特産の「大浜大豆」と珠洲の「天然塩」を使った無添加の手作り田舎みそで、奥様がお一人で作られていらっしゃいました。
 
この遠藤味噌店も被災されています。
 
チーズ工房ミモレットさんが手元に残っていた遠藤味噌を使い、能登へのエールを込めてつくった貴重なチーズです。
 
遠藤味噌は香り豊かで旨味が強いため、香りのやさしいエメンタールチーズを漬け込むことで、風味豊かな味噌チーズに仕上がっています。
 
ご飯と共に召し上がっていただけますし、セイボリーなお茶請けにもなります。もちろんお酒もお勧めです。
 
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私たちがいまできることで、未来に向けて応援したいと思います。
 
 
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2月からは「能登地方支援セミナー」を開催してまいります。
能登の食材をつかったチーズレシピや、北陸の食材、とくに乳製品関連の話題、能登ワインとのペアリングお話などを展開する予定です。
セミナー参加費は義援金とさせていただきます。
スケジュールは、追って、SNSやWEBサイトでご案内させていただきます。
 
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今年も、月末に旬のチーズと季節のしつらいを学ぶレッスンをしています。
美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。
 
お問い合わせはこちらより>>
 
 
 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 
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