天使のためいき ぶどうの涙
ゆきのまち通信(2017年5月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
木漏れ日
美しい日本語に魅せられて
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2017年3月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
復活祭の卵たち
春よ来い
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2017年1月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
吉祥の文様
常緑の松竹 高潔の梅 百花王の牡丹
私たちの 日々の暮らしの中で
大切に使われてきた
器 生活用具 装束 には
心魅かれる美しい文様が 描かれています
奈良時代から 平安時代にかけて
唐風から 和風を帯びた絵画的な文様へと
意匠のモチーフは 変化を遂げ
装飾文様として 受け継がれてきました
縁起の良い 吉祥文様にも
それぞれに 物語が秘められています
松竹梅 宝尽くし 牡丹 のしつらいで
新しい年を祝い 幸せを 祈ります
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2016年11月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
カエルの王子さま
自然のふしぎに感覚を研ぎ澄ます
クリスマス・イヴの夜
美しい小箱が届いた
アメリカの友人からだった
中から現れたのは
カエルのぬいぐるみ!
「ナイス キスを 練習してね
カエルは ハンサムな王子さまに」
メッセージ付きだ
クリスマスの朝
彼から もうひとつ贈り物が届いた
レイチェル カーソン女史のフォトエッセイ
「ザ センス オブ ワンダー」
雪椿のページに 栞がはさんであった
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2016年7月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
夏の雪
真夏の夜の雪
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2016年5月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
八十八夜
静かな夜を温茶と冷茶で
桜の散り果てを
惜しんでいたのも つかの間
緑は 日ごとに 濃くなっています
立春から 八十八日目
新茶の初摘みの時期です
年にたった一度
自然の恵みを封じ込めた
新芽の生命力をいただきます
湯冷ましを用意し
茶葉の分量 浸出時間を 測ります
深い色 繊細なコク 香りの余韻
日本人に生まれてよかったと
あらためて思う 一瞬です
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2016年3月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
なごり雪
儚さを和菓子にゆだねて
弥生三月
空の色が 少しずつ青みを増し
あちこちに 黄色い花が 咲き始めます
山茱萸 満作 臘梅
待ち遠しい春は
すぐそこまで 来ているのでしょうか
そんな朝
目醒めると 窓の外は雪
ゆっくりと まっすぐに 降っています
積もらずに すっと消えていく
なごりの雪
儚く 去りゆくものを惜しむ
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2016年1月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
福は内
福は内 鬼は外
立春を迎える前夜を
子供のころ わくわくして待ちました
よそゆきの和服の祖父が
「福は内 福は内 鬼は外」
大きな声とともに 炒ったお豆と
カラフルなキャンディやチョコをまきます
いとこたちと競って 拾いました
齢の数だけお豆を食べる間
祖母の昔語りが楽しみでした
「父さんと出かけた花街の節分の夜
芸妓さんが髭奴に変装してね
『お化け』と言ってたよねぇ」
悪霊を祓う「追儺」が起源の節分
まるで日本版ハロウィーンのようです
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2015年11月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
和服の美を愛でる
和服が語る日本の美
和服を纏う楽しみのひとつは
移ろいゆく季節を先取りできること
身のまわりの草花や
折々の行事を
着物や帯にデザインします
一年に たった一度
身に纏う贅沢
今年は 聖夜を和服で過ごします
シルバーグレイの無地の着物は
浅葱の裏地に
こっそりと模様を散らせて
帯は黒地にトナカイやツリーの刺繍
雪の聖夜となりますように
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ
ゆきのまち通信(2015年9月号)
センスアップ ゆきぐに暮らし 金澤
早川由紀 文・写真 (ライフコーディネーター)
天使の涙
シャンパーニュ抜栓は天使のため息
葡萄酒の 栓が開けられ
黄金色の液体が グラスに注がれると
太陽を いっぱいに浴びた 葡萄畑が
目の前に 広がるようです
グラスから 立ちのぼる 芳香を
花や 果実や スパイスに例え
早速 味わいましょう
辛口の白ワインなのに、蜂蜜のような あと味
グラスを 置くと
ゆっくりとグラスを伝う 葡萄酒
「天使の涙」と呼ばれます
グラスが 重ねられ
ゆきのまちの秋は 深まっていきます
月刊(奇数月1日発行)「ゆきのまち通信」企画集団ぷりずむ