皆さま、こんにちは。
金沢の街には「ぼんぼり」が灯り、お花見シーズンの到来ですね。広坂通りの辰巳用水沿い、赤く染まった桜の蕾(つぼみ)が、開花の時を今か今かと待っているようです。
さて、全国的にはひな祭りは終わっていますが、金沢では旧暦に合わせ一ヶ月遅れの「4月3日」にお祝いするのが古くからの習わしですね。

これは、この時期にようやく芽吹く「つくし」や「あさつき」といった山菜を食膳に並べるため。鰯(いわし)とあさつきの「ぬた」や、小麦粉の皮でこし餡を包んだ金沢独特の「桜餅」など、自然の恵みと共に子供の成長を願う。金沢の4月は、歴史的な行事と旬の食が溶け合った、とても丁寧な暮らしを感じる時期です。
そんな花の季節に合わせてご紹介したいのが、大阪の工房『IL FIORETTO(イル フィオレット)』の『白花(しろはな)』というチーズです。

店名はイタリア語で「小さな花」という意味。料理人でありチーズ職人でもある山口幸男さんが、「発酵+発酵」をキーワードに、日本らしさを追求して作られたクリームチーズです。
北海道産の生クリームを贅沢に使ったこの「白花」は、『Japan Cheese Award 2024』で銀賞を受賞しました。野原に咲く愛らしい花のように、心と体を癒してくれる優しい味わいです。そのままバゲットに塗るのはもちろん、お花見のティータイムや、パスタソースの隠し味にも最高ですよ。

4月を迎え、私の本も書店やネットショップAmazonなどで発売が開始されます。
タイトルは、『季(とき)にあひたる 和魂洋才のしつらいと工芸 加賀料理とチーズのある暮らし』です。

私の原点は、金沢の家で祖母から学んだ「丁寧な毎日」にあります。季節を慈しみ、器を愛でる……。そんな当たり前だと思っていた光景が、実は何にも代えがたい宝物だったと気づきました。
昨年12月に「国の登録無形文化財」となった加賀料理。その素晴らしい伝統を大切に守りながら、今の私たちの食卓にどう柔軟に取り入れていくか。そこで本書のテーマとしたのが「和魂洋才(わこんようさい)」です。
日本の精神(和魂)をベースに、世界の文化であるチーズ(洋才)を合わせる。実は、日本酒もチーズも同じ「発酵食品」。ロジカルにも相性が抜群なんです。
本の中では、平安時代の色彩美「襲(かさね)の色目」を取り入れたテーブルコーディネートや、子供たちが工芸品を「日常の友」として親しめるようなきっかけ作り、そしてコロナ禍に改めて感じた「祈り」の気持ちについても綴りました。
この本が、皆さんの毎日を少しだけ優雅に、心豊かにするヒントになれば嬉しいです。

こうした季節のしつらいや、旬のチーズの楽しみ方を体験していただける講座を、毎月月末に開催しています。
「旬のチーズとコーディネート講座」
場所は、金沢市広坂の教室にて。


新設クラスやオンライン講座もございますので、ぜひ一緒に学んでみませんか。

それでは、桜の便りとともに、素敵な週末をお過ごしください。


