季にあひたる ~MRO北陸放送~

日本とヨーロッパの発酵文化が出会った『チーズの柚子白味噌和え』

みなさま、こんにちは。

10月も半ばを過ぎ、金沢の街は美しい秋色に染まっています。
高く澄んだ空と、光の中を吹き過ぎる風が心地よい季節ですね。

さて、今月は「金沢食文化月間」です。ご存知でしょうか。
市内各地で食にまつわる様々な催しが開かれています。
今週末、しいのき緑地では「おいしいフェスタ」が開催されています。
金沢が誇る豊かな食文化をまるごと体験できる、まさに食のお祭りです。

豊かな食材と共に金沢の食を支えてきたのが、発酵文化です。
醤油や味噌、日本酒など。厳しい冬を乗り越えるための保存の知恵が、この土地ならではの深い味わいを作り出してきたのです。

本日は、そんな日本の素晴らしい発酵文化「お味噌」と、遠くヨーロッパの発酵食品「チーズ」が出会った、新しい美味しさ「チーズの柚子白味噌和え」をご紹介します。

武家屋敷の柚子の樹

作り方はシンプルです。フランス産のエメンタールチーズを一口大にカットし、柚子白味噌と和えています。

ところで、「チーズの絵を描いてください」と言われると、あなたはどんなチーズを描きますか?きっと穴の開いたチーズケーキのようなチーズを思い浮かべるでしょう。それこそが、まさに「エメンタールチーズ」なのです。

さくらんぼほどの大きさの穴は「チーズアイ」と呼ばれ、熟成の過程で生まれる炭酸ガスによってできるのです。世界でも有数の大型チーズで、1ホールつくるのに、なんと約1,000リットルものミルクが必要です。これは、牛およそ80頭分のミルクにあたるそうです。
淡い黄色の中身はしなやかで弾力があり、フルーティーでマイルドな味わい。ナッツのような香ばしさとほのかな甘み、そして優しいコクが特徴です。熱で溶かすとよく伸びて一層風味が増すため、チーズフォンデュには欠かせません。元々はスイスのエメンタール地方が原産ですが、フランスでも作られており、「エメンタール・フランセ」と呼ばれています。

「チーズに味噌?」と驚かれたかもしれませんね。でも、これがびっくりするほど相性が良いのです。チーズも味噌も同じ発酵食品。旨味成分であるアミノ酸を豊富に含んでいるため、組み合わせることで旨味の相乗効果が生まれます。
特に、塩分が控えめで米麹の甘みが豊かな白味噌は、エメンタールチーズの穏やかな風味を邪魔することなく、見事に調和します。さらに「柚子」の爽やかな香りが、全体の味をきゅっと引き締め、後味にふわっと華やかな余韻を残してくれます。

Emmental France with Yuzu Miso

そのまま食べれば、日本酒や軽めの白ワインにぴったりのおつまみになります。
おにぎりのお供にも、おすすめです。
ナッツのような風味のエメンタールチーズと、甘く香ばしい白味噌、そして爽やかな柚子。
口の中に入れると、まずチーズのコクと白味噌の甘みが広がり、後から柚子の香りが鼻に抜けていきます。
これは、きっと新しい発見になるはず。
皆さまのチーズの世界が、ぐっと広がることでしょう。

チーズ一つで食の世界は豊かになります。
こうしたチーズの楽しみ方や、季節ごとのしつらいを学ぶレッスンを毎月末に開催しております。

秋のテーブルコーディネート

この秋、ご要望の多かった奇数月の土曜午後にクラスを新設いたしました。
体験レッスンもございますので、チーズのある豊かな食卓にご興味のある方は、ぜひご参加ください。

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旬のチーズ:コーディネート講座(講師:早川由紀)

オンラインレッスンもあります。ぜひお気軽にお問い合わせください。

早川由紀 金沢市出身。「和魂洋才」を掲げ「WAKONN」を設立。移ろいゆく季節、鮮やかに姿を変える風景を楽しみ、折々の行事を心を込めてこなしていた祖母の暮らしを受け継ぎ、しつらいの魅力を伝えるイベントやセミナーを積極的に展開。

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